脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法

糖尿病の人は脳梗塞・心筋梗塞に2.0倍もなりやすい。

当院でのデータですが
糖尿病の人は脳梗塞・心筋梗塞・腎不全などになりやすい・・のは周知の事実ですが、その原因とその科学的な訳を調べました。

全身8カ所の血管プラークを糖尿病(薬物治療中)の有無で2群に分けて調べると、やはり心筋梗塞、脳梗塞などに2.0倍もなりやすいことが判明しました(表)。

その科学的な理由を知りたいですよね・・・
その理由は糖尿病の人が、糖尿病ではない人よりもT-maxが10.1-8.5=1.6mmも高値だからです。

このT-maxは私が発明した動脈硬化指数ですが(循環器臨床サピア9、中山書店、2010)、このT-max=10.5mmは男女共に均寿命の平均値に相当します。(参照1

T-maxで1.6mmの差は、50歳の男女が共に平均で13歳も老化(寿命短縮)する値だということです。(参照1

糖尿病の人の平均寿命は、糖尿病ではない人より13歳も寿命が短くなる・・
ともいえる数値なのです。・・と説明することも科学的に可能です。

T-maxは動脈硬化を科学的に定量出来る物差しなのです。

将来はT-maxが疫学調査の代わりに用いられるでしょうし、T-maxは現在の疫学調査が科学的に正しいかどうかを判定・検証できる・・唯一の測定機器・・なのです。

では、なぜ糖尿病の人が、糖尿病ではない人よりもT-maxが高値なのでしょう?

1)時間的な背景を考えると、最も大きな原因はT-maxが高値となるような食習慣をしている人達が糖尿病になりやすいからです。(参照2)(参照3
2)もう一つは、血糖値の高い時間が長く続く(A1cも高い)と血管内皮細胞の萎縮・損傷など(皮膚での肌荒れ状態)が生じ、内皮細胞の相互の間隙が広くなり、そこに劣化コレステロール(劣化脂質あるいは酸化脂質)が流体力学的に砂みたいに血管壁内に堆積していくからです。(参照4
悪循環のスパイラルになるのです。

しかし、「糖尿病」とは・・・喉の強い渇きや、血液が高浸透圧になって意識を失う場合もありますが・・・血糖が高い状態をさす病名ですから・・

糖尿病だとしても「動脈硬化の原料」である劣化コレステロールが血管内を流れなければ基本的に動脈硬化(血管壁の肥厚)は起こりにくいのです。

残念ながら、糖尿病と診断されるに至った方は、長い年月にわたって血糖値が高かったわけですから、血管内皮は障害を受け・・・めくれたり・小さくなったりしますので、プラークが溜まりやすい状況になっているわけです・・

ですから、糖尿病になってしまった人達は、たとえA1cが低下しても、劣化コレステロールが血液中に多く存在すれば(TG高値やRLP高値など)動脈の血管壁に糖尿病ではない人と同様にプラークが堆積し続ける・・わけです。

A1cが低下したことは、動脈硬化になりやすい「ハンディ」を少なくしただけであって・・・

動脈硬化が進行しない「免罪符」を得たわけではありません。

血糖が血管壁に堆積するわけではないのです。

私の考えが正しければ、糖尿病の方のカロリーは“ごはん・根菜などの炭水化物”で必要量のカロリーを摂取させて、魚と野菜中心の食事で・・・劣化脂質を多く含む食べ物(揚げ物・油炒め類、脂身、バター使用の菓子類、他)からカロリーを極力摂取しない・・・ことが、「糖尿病の本当の敵」である「動脈硬化」の結果である・・・多くの「病気」から・・・身を守る賢い知恵だと考えます。(参照5

ただし、表から判るように、・・脳梗塞・心筋梗塞などのイベントを経験していた人達の77.2%(88÷(26+88)=0.772)は糖尿病ではない人達なのです。

糖尿病になってから脳梗塞・心筋梗塞の予防対策をしても・・・ 多くの場合は・・手遅れなのです。・・正しい食事療法を真面目に行い(参照6)、医療薬で補佐すれば別ですが・・・

私の理論・仮説とその実践からえられた4年半の経験による考えですが・・・
「血管プラーク(動脈硬化)を改善させるためには・・LDLを強く下げるでもなく、HDLを上げるでもなく・・・A1cは安定させ・・
TG(中性脂肪)を70以下に持続して留めておくことが理想です。
(数年後にはデータを出せるだろうと思います)

糖尿病になる前に・・主に食習慣の結果として・・動脈硬化が進行し(参照2)、(参照3)、同時進行の形での結果として糖尿病にもなる(参照5)。

ですから、薬でA1cが低下し糖尿病が改善されても・・食べ物の種類次第では・・動脈硬化の流れをストップ・改善させているというストーリーにはならないのです。

糖尿病ではT-maxが高値の人が多いですから・・高血圧症(薬物治療中)の割合もやや多くなっています(表)。

まだ糖尿病ではないけれども、A1cが高い人(参照7)、非空腹時TG(中性脂肪)値が高い人(いずれ記述)、その他の動脈硬化のリスクが高い人(参照8)に当てはまる方は、頸動脈だけではなく(参照9)、当院開発の8カ所の血管エコーを受けられることをお勧め致します。(参照10

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