脳梗塞・心筋梗塞の予防法

脳梗塞・心筋梗塞の再発予防(予防法)は簡単でも科学的

2011年3月時点で72歳の男性です。

過去に心筋梗塞ついで脳梗塞をおこし、その後も別の冠動脈が狭窄するなどを繰り返しながらある病院に通院中ですが、言葉のなめらかさ障害があり、山登りで疲れやすく、脳梗塞の再発などが心配で当院へ来院されました。

当院オリジナルの8ヶ所の血管エコーでご覧のように、血管内がかなり汚れていて、右頸動脈のプラークはプリンプリンとしていてプラーク内部の密度が高いことが見てとれます。

つまり、現在もプラークが堆積中なのです。

注意していただきたいのは、心筋梗塞に対する1回目のステント治療後から血液サラサラ薬を服用中にもかかわらず、脳梗塞を起こし、その後も2種類のサラサラ薬を飲みながらも血管プラーク堆積は進行し、別の冠動脈がプラーク堆積で狭窄を起こした!・・という直近の過去の事実があることです。

つまり、今のままでは脳梗塞の再発は時間の問題なのです。再発後は認知症・寝たきり・永眠への道のりが待っています。

この方の高血圧はキチンと管理されていますし、LDLも高くなく(TG:中性脂肪が初診時に高いのは問題)、糖尿病でもなく、肥満でもなく、喫煙歴もなく、運動も山登りが趣味ですから運動不足もありません。

テレビや新聞、厚生労働省省や多くの有名病院のホームページでおなじみの「脳梗塞・心筋梗塞の主な危険因子は高血圧・高脂血症・糖尿病で、その他に肥満・喫煙・塩分摂取過多・運動不足・など・・」とされている現代の医学常識が怪しいと思いませんか?・・思いませんよね、自分が倒れるまでは。

脳梗塞や心筋梗塞などの原因である動脈硬化に関する今の医学常識は、日本に限らず世界中がそうなのですが、バリバリの天動説(参照1)なのです。 データに基づく動脈硬化の地動説(私だけ?)での概要(参照2)をご覧下さい。

それでは、地動説が正しいことを科学的に実例で証明致しましょう。

2011年3月:中性脂肪と劣化コレステロール(RLP)(参照3)が高く、食習慣点数が344と高いので、まず食事・食習慣の改善を指導しました。

2011年6月:に頸動脈のプラークが3.3mm・3.2mmとなり、プラークの改善傾向を認めましたので、劣化コレステロール(脂質)の吸収をある程度邪魔してくれる薬を1日置きで服用いただきました。

2011年9月に同部のプラークが3.3mm・3.2mm・2.8mmと更に低下し同薬を毎日の服用に増量しました。この時点で「プラークの改善」をお話ししました。

2012年2月:に同部のプラークは3.3mm・3.2mm・2.8mm・2.9mm と悪化傾向を認めました。 「薬物服用の安心感」と「プラーク改善の褒め言葉」が災いしました。

この時に湿疹の副作用を認めたので劣化コレステロールの吸収阻害剤は中止しました。同時に、現時点での食習慣を子細に聴取し、厳しく改善を求めました。

2012年6月:に同部のプラークは3.3mm・3.2mm・2.8mm・2.9mm・2.5mmと、驚くほどにプラークは低下し、プリンプリンしていたプラークが写真のように萎びたプラークに変身したのです。

これだけプラークが低下すれば、脳梗塞と心筋梗塞の再発予防の願いは叶うでしょう。

このようにプラークを低下させる医術が脳梗塞・心筋梗塞の再発予防法としては最も効果的なはずです。

いわゆる現代医学での脳梗塞・心筋梗塞の危険因子(天動説)(参照1)が改善しても、プラークが低下するまでは喜ぶべきではありません。

TGは半分近くに低下していますが、LDLの値を下げたわけでもなく、HDLを上げたわけでもありません。「LDLを悪玉、HDLを善玉」と決めつける日本独自?の風潮は非常に危険なのです。

症状の改善では、“言葉のなめらかさ障害"もすっかり元に戻り、2011年3月には“強い肩こり"があったそうですが、“肩こり"が完治したことに、質問して初めて気付かれました。

“肩こり”も実は動脈硬化の一つの症状なのです。(参照2)その証拠に、プラークが改善した人は例外なく“肩こり”が消失しているのです。

それではこのサイトをご覧になった方もご一緒に、私のタイムマシンでこの方の50歳の時点へタイムトラベルしてみましょう。

私の計算では、この方が50歳の時、すでに右の頸動脈には1.9mmのプラークが存在し、大動脈・大腿動脈・右鎖骨下動脈にもそれ相当のプラークが見られます。

60歳の時点へタイムトラベルすると、この方は血圧薬の服用開始になりました

右の頸動脈のプラークは2.6mmですから、既に脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル(参照4)が4になっています。

放置すれば脳梗塞・心筋梗塞・認知症へまっしぐらという状況です。

高血圧があるために動脈硬化になった・・のでは、決してない。・・ということは、タイムトラベルによる科学的捜査で明らかです。(厚生労働省のホームページ「高血圧・動脈硬化」を改めてご覧下さい)

この方は、趣味の山登りで疲れにくくなりましたが、その理由は、プラークが減少したために血管の内径が広がり、今まで酸欠状態だった心肺や筋肉への酸素供給が急に増加して、酸欠状態に慣れていた組織が少々の運動にも軽く耐えられるようになったためだと考えられます。

プラークが改善した人は皆さんが“疲れにくくなった”と実感されています。

でも、そんな事よりも、五里霧中の未来が切り開けて晴れやかな気分になられていることでしょう。

これで今回の「タイムトラベル」の体験学習は終了です。

私のクリニックは希望する未来へのタイムマシンかもしれませんよ。

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