脳梗塞・心筋梗塞の予防法

洋風食(炭水化物制限食に類似)の食事は脳梗塞・心筋梗塞になりやすい。

肥満者、標準体重者を食習慣の点数で仕分けして、動脈硬化とイベント(脳梗塞・心筋梗塞・一過性脳虚血性発作・冠動脈カテーテル治療・冠動脈バイパス術・無症候性脳梗塞)歴率などを比較した表です。

洋風食による洋風肥満者(洋風肥満)は和風食による肥満者(和風肥満)より10.2倍も脳梗塞・心筋梗塞になり易く、2.3倍も糖尿病になり易い(参照1)のですが・・・、

結果&「コメント」

1)洋風食の標準体重者は和風食の肥満者より8.2倍も脳梗塞・心筋梗塞になり易い。
2)洋風食の人は、体重が肥満でも普通体重でもイベント歴には差がない。
3)和風食で普通体重の人は、和風食での肥満者よりも3.0倍もイベント歴率が高かった。

その他の結果:

1)L/H比は和風肥満者が洋風普通体重者よりも高く、「L/H比が低い群は、高い群よりも動脈硬化になり易い・・・」、とする、L/H比による脳梗塞・心筋梗塞のイベント予測はあまり当てにならないといえます。

2)洋風肥満者は論外で、T-max・イベント歴率共に、各グループで最悪でした

参考文献A:最近の読売新聞の記事によると、ハーバード大などの研究

結果:

「炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まる」・(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)

参考文献B:Neurology, 2012年8月28日号によると、「韓国の脳卒中登録患者から脳梗塞患者の34,132人の7.5年間のデータ収集より、BMI別の死亡ハザード比(HR)を算出して検討。

結果:

1)参照群のBMI(20< ≦23)群に比べて、BMI(≦18.5)群とBMI(18.5< ≦20)群の死亡HRはそれぞれ1.36、1.14と高かった。
「痩せ型の脳梗塞患者が普通体重の脳梗塞患者より短命」

1)一方、BMI(27.5< ≦30)群とBMI(30< ≦32.5)群の死亡HRはそれぞれ0.83、0.77と低かった。
「肥満型の脳梗塞患者が普通体重の脳梗塞患者より長命」

この関係は、脳梗塞発症90日目までは明らかではなく、1年後に顕著になった。
この関係は、死因にかかわらず認められた。
(Medical Tribune誌:202/9/13より抜粋)

一流医学雑誌と同じ結果が、プラーク&食習慣点数でも得られています。

写真2は、標準体重者に限って調査したものです。

結果

1)普通の体重の人でも、欧米食好みの人は、和食好みの人より、2.8倍も脳梗塞・心筋梗塞になり易い
2)普通の体重の人でも、欧米食好みの人は、和食好みの人より、3.8倍も糖尿病になり易い
3)普通の体重の人でも、欧米食好みの人は、和食好みの人より、1.9倍も高血圧になり易い。

そして、T-max(動脈硬化指数)も明らかに欧米風食好みの人が高い(動脈硬化が進行)のですが、L/H比は、全く同じ値でした。

このことからも、L/H比は動脈硬化の定量判定には向いていないことが証明されます。

健診や人間ドックでの体重測定で、現代医学では標準体重の人を全て問題なし(メタボリック症候群に該当せず)と判断してしまいますが、これは動脈硬化という犯人を捕まえる捜査手法としては誤りがあると言わざるを得ません。

食習慣点数で「食べ方」の仕分けをして、400点以上を洋風食(洋食)、180点以下を和風食(和食)と定義付けすると、動脈硬化という犯人が事件を起こす前に捕まえることも可能になります。

T-maxとLDLの関係は掲載済み(参照2)ですが、

決してLDLの高低のみで、人の動脈硬化を判断してはいけませんし、体重だけで動脈硬化を判断してはいけません。それは、無実の人を逮捕するに等しい医術です。

実例を挙げれば、体重が増えたのに、動脈硬化は改善した症例(参照3)、(参照4)。なども少なからず経験されます。

ですから、
「肥満が動脈硬化を進行させる」という昔からの医学の考えも、血管の脂汚れ具合を手に取るように見られる立場からはとても奇異に思えます。

血管プラークと体重との決定的な関係のデータ(全身の動脈硬化定量指数:T-maxとBMIとの関係)があります(参照2)。

T-maxが高くても低くてもBMI(肥満度)の値は同じでした。

「体重を落とす食事で、体重が1年で12Kgも落としたが、動脈硬化は悪化していた」(参照5)などの笑えない症例もあり、世の中の“おやじダイエット”“糖質オフでやせる” “糖尿病はご飯よりステーキ”を実行している人、“食べる順番”を変えても“食べる内容”を変えないで安心している方々はご注意下さい。

「糖質制限食で体重が落ち、A1cが下がっても動脈硬化を改善させるとは限らない」のです参照6)。

むしろ、「劣化脂質含有食品を制限しない糖質制限食(炭水化物制限食)は、動脈硬化の進行を早める」のです。(ハーバード大の研究結果と同じ)。

和風食で肥満者は炭水化物の代表とされる“白ごはん”を制限していませんよね・・それでも「洋風食の標準体重者」よりもプラークは少ないのです。

(注:“ごはん”にはアミノ酸が含まれ、毎日食べるので貴重な蛋白質源でもあり、鉄分、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも含まれています)

また、血管にプラークが危険レベルで溜まっていても、痩せている場合が結構多いのです(参照7)。

糖尿病の治療で根本的に最も大切なのは、「将来の血管プラークによる心筋梗塞や脳梗塞、腎不全、認知症、大動脈瘤、・・・等々を予防することではないでしょうか。

間違っても、A1cを下げたり、体重コントロールすることが本当に目指したい目標ではないはずです。

肉やお酒を気にせず飲食するダイエット法は“美容”や“みてくれ”には利益になるかもしれませんが、ハーバード大学の報告によると、危険なダイエットということになります。

炭水化物を減らして、たとえ体重が10Kg以上も低下しても、血管のプラークがたくさん堆積し、5〜10年後にはつら〜い病気の日々がやって来るでしょう。

肉類、乳製品、揚げ物類、アルコールや乳製品を制限しない炭水化物制限食(糖質制限食)は危険!」という論拠に納得いただけたでしょうか。

ただし
お菓子や甘い物は制限すべきで、“ごはん”などの炭水化物の糖質は制限すべきではありません

敵は肥満やA1cではなくて動脈硬化(血管プラーク)なのですから

なお、50歳を過ぎても炭水化物を制限する必要はありません。主食を止めてはいけません。(「病気にならない生き方」新谷弘実 著を参照)
年相応の量にすればいいのです。そんな些細なことよりも、劣化脂質・アルコール・菓子類や飲み物の糖分を制限しましょう。

お米:“ごはん”は血管を脂で汚すことはないのですから

私が肥満と動脈硬化に関して、科学的に論説できるのも、T-maxを・・、つまり、動脈硬化の総量を数値化できて、その根本原因の食習慣を定量化できるからなのです。

注)食習慣点数:著書「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」(幻冬舎)に記載。

現在の、本人の血管が綺麗なのか、汚いのか、そしてそれが努力で改善したのか・・それが直接見られる検査法が当院にはあります。

(既に述べていますが、MRIでは脳血管の汚れを定量的に判断出来ません。・・脳梗塞を予知することは困難です・・つまり、MRI後1年以内に脳梗塞を起こしてもMRI検査に責任はありません)

これから子供に負担をかけずに余生を楽しみたい方、これから何かを始める若い方、自分の血管の汚れを見て納得し、その対策を行うことで、健康への漠然とした不安は消え、毎日が前向きで楽しく元気に過ごせます。

「論より証拠」をお見せすることが出来るでしょう。

2012年11月7日時点で、178人の動脈硬化(血管プラークの肥厚)を改善(縮小、退縮、治療)できました。
“不治の病”とされていた動脈硬化を手品ではなく、本当に治療できるクリニックです。

“脳梗塞・心筋梗塞・認知症の心配がない未来“を早く到来させようではありませんか。

一度ご相談下さい。

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