脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法

EPAと食事だけで頸動脈プラークが改善し、腎機能(Cr)も高率に改善する。

当院において、2010年10月からの2013年2月までの連続171例において、EPA製剤であるエパデールs(900)2p,2xと食習慣指導(当サイト掲載)のみの治療を行い、頚動脈プラークなどの血管プラーク減少・退縮効果(動脈硬化の改善)・クレアチニンの値を下げる(腎臓機能を良くする)効果を検討しました。

結果:

  1. 74.9%がプラーク改善またはプラーク改善傾向となりました。
  2. プラーク不変例12.3%、プラーク悪化傾向例11.7%、悪化例1例。
  3. 腎機能障害例(Cr:クレアチニンが基準値以上の症例)の85.7%で腎機能が改善しました。(ページの後半に記載)
  4. 糖尿病症例の12例中8例(75.5%)で腎機能(Cr値)が改善しました。(後半に記載)

備考:改善、改善傾向などの基準は末尾に記載。

この84名は、食事療法とエパデールのおかげで、最短3ヶ月(平均13ヶ月)でプラークが改善しました。・・つまり・・プラークが改善する状況にしたことで・・結果として・・LDL, TG(中性脂肪)は共に低下し、クレアチニン(Cr)も明らかに低下(改善)しています。

LDL低下は食事改善による、酸化脂質の摂取減に伴う酸化LDLの低下が考えられます。

でも、LDLが低くてもプラークが高く堆積している人などは、LDLが低下しないでもプラークが改善するので、酸化LDL以外の脂質の関与あるいは血管内皮細胞の劣化も大きく関係するのかもしれません。

今回の臨床研究の意義は、副作用も少なからず出現するスタチン製剤(LDLの合成阻害剤)を使用することなく、臨床的に3ヶ月から1年という短い期間にプラークを改善できるという事を証明できたことにあります。

参考)当院では2013年9月20日までに、既に383名のプラーク改善例を経験しています。
改善した方々の、頭痛・肩こり・いびき&SAS(睡眠時無呼吸症候群)・狭心症・高血圧・・などの症状が根本的に消失0改善しています。つまり、SASや高血圧などが動脈硬化の原因ではなく、結果であることの証明にもなり、上記症状の根本治療といえます。

プラーク改善傾向の44例は、しばらくするとプラークが改善すると見込まれる症例です。

LDL, TGは低下していませんが、Cr:クレアチニンは明らかに低下(腎機能改善)しています。

つまり、エパデールと食事療法でクレアチニンが徐々に低下すれば、その人のプラークの改善傾向を示唆する所見といえるでしょう。

また、Cr値の低下は食事療法での患者さんの励みにもなるでしょう。

なぜCrが低下(改善)?・・・簡単です。 腎臓は炊事場の流しのネットみたいなものです。脂汚れがとれると、クレアチニンの流れ(血液から尿中への排泄)も良くなり、血液中のクレアチニンの濃度は下がるのです。・・つまり・・腎機能改善の第一目標(根本治療)はプラーク改善なのです。・・塩分制限・・蛋白制限・・は初期のCKD治療の近道ではありません。常識の誤りといえるでしょう。

プラークの程度が変化していない21例では、LDL, TG, Crいずれも有意な低下を示していませんが、Crなどは低下傾向にあります。

プラーク悪化傾向例は、2010年02011年頃の食生活指導の甘さと本人の自覚の甘さによるものと考えられます。現在の食事指導内容はサイトの「脳梗塞・心筋梗塞にならない食べ方・・(随時改訂中)」に掲載していますが、当院に受診された方には、食事内容を詳しくお聞きして詳細なテーラーメイドの食事指導を行っています。

プラーク悪化傾向でも、Crが低下する症例があります。EPAの直接的な改善効果もあるのかもしれません。

プラーク悪化例の2例の理由は明白で、アルコールの制限量を守れない人たちです。

高濃度のエチルアルコールが血管を流れると、血管の内側の内皮細胞が化学的な“やけど”状態になります。

やけど状態は治りにくく、その間に劣化(酸化)していない脂質も傷んだ内皮細胞間隙に入り込み、流体力学的にプラークが形成(血管壁内に沈殿・沈下)されます。
(マクロファージがプラークを厚くするのではありません。誤解があるようです)

生物進化の過程を考えても、血管の内側の細胞は高濃度のアルコールが通過することを想定していません。

その証拠に、5%のアルコール液(ビールと同じ)を皮下注射すれば激しく痛みます。そして、一瞬にして脂肪細胞は縮んで皮膚がへこむのです。自分で体験してみました。
自然の摂理から離れた想定外のアルコールを飲むと絶滅危惧種になりかねません。

イベント例での検討:今回検討の171例の中で、脳梗塞や心筋梗塞などをイベントといいますが、そのようなイベントを経験された後に受診された方が7名おられました。

でもその7名は100%:全例でプラーク改善または改善傾向となったのです。
これで、脳梗塞・心筋梗塞の再発の心配はなくなります。

再発したくないとの真摯な気持ちが良い結果をもたらします。

病院から薬をいただいていても・LDLが低くても・減塩&禁煙しても・体重が減っても・A1cが低下しても・理にかなった食習慣の改善がなければ、プラークは日々進行します。

当院の患者さん方のプラークが改善するのは、血管エコーを8カ所行い、そのプラークを直に動画で説明し、自分の立場を自覚された上での食習慣指導だからです。

慢性腎臓病(CKD)の予防・治療
以下に、今回のプラーク改善プログラムにおける腎機能障害例28例の腎機能の変化を呈示します。28例中の85.7%の腎機能が改善しました。女性は100%改善です。

プラークを改善させる努力で、腎機能改善という予期せぬ効果が得られました。
腎臓は細い動脈(血管)の集合体ですから、当たり前といえば当たり前です。

「慢性腎臓病:CKDの治療の基本は、人工透析への移行を予防・遅延させることであり、心血管イベントを念頭に診療を行うこと」などといわれています。そして、腎機能の保持の食習慣は減塩・低タンパク食といわれています。

・・・でも・・減塩しないでも、低タンパク食にしないでも、腎機能は改善します。

プラークを低下させる食習慣がCKDの根本的な食事療法なのです。

以下は、今回の171例中に、たまたま糖尿病であった12例で検討しました。

糖尿病症例でも、ほぼ同じ比率の75.0%で腎機能を改善させることが出来ました。

では一般に、T-max(総合動脈硬化指数:総合血管脂汚れ指数)が高いと腎機能が低下しているかどうかを検討しました。

備考:T-max(mm)は、右鎖骨下動脈・左右の頸動脈・腹部大動脈分岐部周囲・左右の大腿動脈分岐部周囲の4カ所のmax-IMT(プラークの最高の高さ)の合計の高さ・・です。人の血管の脂汚れの度合を数字でmm表示できる世界初の尺度です。詳しくは他のページ参照。

そこで、年齢が近似した集団で、T-max(総合動脈硬化指数:総合血管脂汚れ指数)とeGFRとの関係を調べました。

( eGFR=年齢性別を考慮した腎機能の指数:腎機能低下すれば低くなる)

T-maxが高くなれば、当然に腎臓の動脈も汚れているので、腎機能は悪くなっています。

今まではこの血管の脂汚れを取る(減らす)方法が無かったので、基本的にはCrやeGFRなどの腎機能を表す数値も改善されないことが普通でした。

腎障害者は「座して透析を待つ」立場だったといっても過言ではありません。

また、本当は悪い食習慣のなせる結果である「糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満」も根本的に改善させることができるし、同じく結果である「脳梗塞・心筋梗塞・動脈硬化性腎不全」も確実に予防できるのです。

年齢分布が全く同じグループで、T-maxとCr・GFRとの関係を調べました。

腎機能を表すeGFRは男性においてのみ、T-maxと良い相関がありました。

男女別に、年齢を同じくして検討すると、男性の場合はT-maxが高くなると腎機能は低下するが、女性の場合は必ずしもそうではないのです。理由は不明です。

でも、今回の当院の治療プログラムでの検討では、腎機能障害がある女性の場合は腎機能が100%改善しました・・・これも事実です。

今回判明した重要なこと:

1)「EPA製剤であるエパデールS(900)2,2xの服用」と「食習慣の改善」で、血管プラークを75%の症例(イベントの2次予防目的では100%)で改善できた。

2)今回のプラーク改善プログラムで腎機能改善が容易に可能であるということと、少なくとも初期の腎障害例では、従来の減塩・低タンパク食の必要はない。

3)脳梗塞・心筋梗塞などのイベント予防・動脈硬化改善にスタチン製剤は必ずしも必要ではない。

高血圧の80〜90%は本態性高血圧症で原因が不明と考えられています。また、CKDの原因も生活習慣病などといわれていますが、明らかではありません。

プラークの研究(T-maxの検討)から、この本態性高血圧症とCKDの原因はプラーク堆積(T-max漸増)としか考えられません。・・つまり・・真の原因は食習慣なのです。

プラークが高血圧の原因だからこそ、今回の検討で多くの症例で血圧が低下しました。

Crが徐々に高くなり・・いずれ人工透析・・という腎臓病もプラークが関与しています。その証拠に透析患者さんの血管プラークが最も激しく進行していました(参照1)。

プラークを低くする(改善する・取る)方法が見つかった今、腎機能障害・高血圧などの動脈硬化関連疾患(参照1)(参照2)の根本的な治療法が見つかったことになります。

ある書籍で「腎機能を悪化させないために高血圧を管理しましょう・・」とかあります。同じページで運動を勧めていますが、運動を長くすると血圧は上がりっぱなしです。どういうこと?と思います。

また、ある書籍ではどこかをマッサージしたりする方法がありますが、私にはその科学的な理屈が理解できません。

例えば、ホース(血管)の水(血液)圧を下げたり、身体をリラックスさせて、ホースや台所の水切りネット(腎臓)の脂汚れがどうして落ちるのでしょう??

水切りネット(腎臓)の脂汚れを落とすことが腎機能改善の根本的な治療なのです。

私は腎臓分野の門外漢ではありません。34年前は消化器に籍を置きながら八女公立病院(現:公立八女総合病院)にて人工透析医長を務めていました。その当時も腎機能は悪くなっても、改善することはほとんどない・・と考えられていましたし、基本的な食事療法は低タンパク・減塩食でした。そして、透析患者さんのほとんどが腎炎でおこる病気または糖尿病に合併した病気だったと思います。
今は大人で、しかも食習慣が原因で腎臓を悪くする人がゾロゾロです。

エピソード)
遠方の大学から、ある透析センターに勤務している大学院生のDrが8カ所の血管エコーを受けるために最近受診されました。

「この方法が普及すると透析している病院が困ることになる・・」と内心思われて、上司に教えるのは止めておこう・・と思われたそうです。・・私の研究は一部の医療界にとっては余計なことかもしれませんね・・。

みなさん!孫や子供や被災地の方々のためにお願いですから病気を予防してください。
被災地支援の気持ちがあるなら、食習慣が原因である脳梗塞・心筋梗塞・動脈硬化性腎不全・・など・など・・・つらくて・お金と世話のかかる病気にならないようにしょう。

腎機能低下で将来の透析治療を思い悩んでおられる方・・健診でクレアチニン(Cr)の数値が基準値オーバーの方・・・
脳梗塞・心筋梗塞などになりたくない方・・・
(特に、いとこ・親・兄弟が(参照2)の疾患で倒れている場合)
動脈硬化の関連症状(参照2)・疾患をお持ちの方・・・
糖質制限食を6カ月以上続けた方・・・

出来るだけ早く当院へご相談いただき、8カ所の血管エコーをお受けください。

当院に受診予約して、診察までの間に脳梗塞になられて障害が残った方はおられますが、受診後に脳梗塞になられて障害が残ったという方は、この3〜4年・・1人もいらっしゃいません。心筋梗塞例は1例ありますが、私の基準で脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4でしたが、血小板が6万台と少なかったので血液サラサラ薬(抗血小板剤)を投与していなかったのです。この方が1例心筋梗塞になられましたが、機能障害は残りませんでした。

備考)最近発覚した血圧降下剤のデータ改ざん事件について:
高血圧治療薬(ディオパン)のデータ改ざん事件をまだ覚えておられるでしょう。
足が震えるほど恐ろしいことですね・・・データ改ざんが?・・そこではないのです。

よーく考えて下さい。この研究は2004年に始まり、4年間も・・2008年まで行われていますが、約3000人を対象にディオパン群:1517人、他の高血圧薬群:1514人で検討されたそうです。

データ改ざんされて発表されたのは4年間でディオパン群:83人も脳梗塞、一方のディオパン以外の高血圧薬群:155人が脳梗塞とされています。

ある施設で実際のカルテを調査したところ、ディオパン群では少なく、ディオパン以外の高血圧薬群ではかなり多くの脳梗塞患者数の水増しがあったそうで、これが問題になっています。これは本当に問題ですが・・・両群で概算合計約200人は脳梗塞で倒れている。

今の社会は、まだ気付いていない!。つまり、4年間も高血圧薬と現代医療を駆使して、3000人中の200人(私の概算)も脳梗塞から守れていない。こんな事は未来ではあってはいけないことです。昔だからしょうがない?・・8カ所の血管エコーをしなければ、今も変わらないでしょう。MRIは2004〜2008年には既に存在しています。

MRIでは脳梗塞を予防できないのです。つまり、この研究は脳梗塞の率が問題なので、治験前には当然多くの例でMRIがなされているはずです。それでも脳梗塞になっている。

私にその3000人をフォローさせて欲しかった・・残念でなりません。
でも、8カ所の血管エコー法を発明したのは、2008年10月頃でした。

でも、そのまんま4年が過ぎて2010年には別の200人が脳梗塞になられている計算です。

2014年には別の200人が倒れることでしょう。
その方々を守れるのは今の所、8カ所の血管エコー法しかないのです。

また、糖尿病を治療していて、A1cが良くコントロールされていて脳梗塞になる・血圧がよく治療されているのに脳梗塞になる・・患者さんはそんなはずじゃ・・と思われるかもしれませんが、血管の脂汚れを詳細に診断しなければ、脳梗塞になるのは時間の問題なのです。

倒れても社会も病院も不思議がらない、なぜなら今回のデータ改ざん事件、社会が考えたのは、「今後の治験でデータ改ざんをどう防ぐか・・・」それが現代なのです。

どうして、「高血圧・糖尿病の医療において、いかに脳梗塞を予防するか・・・」という論点へ目を向けないのでしょう・・?不思議です。   早く未来に来て下さい。

今からでも間に合います。

備考)EPA製剤に関して:
最近出版された書籍で、エパデールが不要な薬にリストアップされているのをみて、唖然としました。私が知る限りでは、抗血小板作用(血液サラサラ効果)はやや弱めですが、最も安全性が高くて効果もある薬です。ただし、食事療法が伴わないと、その抗血小板作用が他の薬に比して強くないので、脳梗塞を起こす場合があります。でも私が知る4例では脳梗塞は起こしても、4例共に全く後遺症が残っていません。でも、他の抗血小板剤では再生不良性貧血2例、消化管出血(多発性小腸潰瘍1例)、その他の副作用も多々認められます。プラークがある患者さんに安全性の高い血液サラサラ薬を服用していただきながら食事療法していただくのが、安全・確実な医療なのです。

エパデールにLDL低下や、TG低下を求めてはいけません。敵はLDLではなく、プラークなのですから。

なお、血管の脂汚れの程度では、EPA以外のお薬を選択またはEPA製剤との併用が必要です。

エパデールの開発にご苦労された方の名誉のために申し述べました。

****以下は、今回の臨床研究の方法です:(Dr・エコー検査担当者向け)******

方法:
プラークの観察ポイントを10数カ所設定し、以下の基準でプラークの改善を評価しました。プラークの場所は頸動脈に限らず、誤差の少ない部分で定点観測し、高さを測定します。高さは各場所でのIMT-maxの高さとは限らず、正確に観察できる石灰化の少ないポイントで観察。血管の底面に垂直にビームが当たるような写真で判定する。なお、プラークの0.3mm低下を改善と見なすのは結構厳しい基準です。

将来・・プラークの改善が盛んに論議されるようになる場合はこの基準を参考にしていただきたいと思います。

当院では、それぞれの観察ポイントにP1・P2・・P5などとマーキングして観察しています。

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