脳梗塞・心筋梗塞の予防法

不整脈も血管プラーク(動脈硬化)が原因と判明。不整脈の予防・根本治療も可能。

2014/7/25のテレビ(WBS)では・・不整脈のアブレーション治療が話題になり、その治療法の進歩を報道・・・でも、珍しく、コメンテーターが「生活習慣病を減らして不整脈の発生を抑えることが・・」と的を射たコメント!

現代の不整脈の多くは生活習慣病が原因では?と、誰でも思っています?・・が・・でも・・誰もその因果関係を解析できていない・・だから・・適切な予防策・根本的な治療法がないのです。

その不整脈の出現が、動脈硬化(プラーク堆積&肥厚)と関係していることを、実例と統計学で証明できました。

でも・・・動脈硬化を治せない限り・・不整脈を治せる・予防できる・・はずもないのです。

しかし、当院ではその動脈硬化(プラーク)を確実に治せる治療法の開発に成功しています。
(このサイトの他項を参照)

<症例呈示>
54歳の男性(症状:疲れたときの不整脈+・頭痛+)

不整脈も血管プラーク(動脈硬化)が原因と判明。不整脈の予防・根本治療も可能。

10年前の40歳頃から・・疲れた時など・・月に2 or 3回程度の不整脈・頭痛が生じるようになり、2013年7月に**心配で当院受診**。

初診時:S-max=3.8mm F-max=1.2 mm C-max=0.8mm A-max=2.8 mm
と右鎖骨下動脈と腹部大動脈以外の動脈硬化は軽度ですが、私の基準では、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 です。 高脂血症もあり血液サラサラ薬としてエパデールS(900)2,2x開始 & 具体的に食習慣指導を行いました。

半年後には、不整脈・頭痛が治り、S-max=3.8---->3.56mmへプラーク改善。

1年後、S-max=3.8--->3.56--->3.43mmへプラークが明らかに退縮(改善)。
不整脈・頭痛は解消されたままです。

動脈硬化が改善したら不整脈・頭痛が治りました。つまり、動脈硬化が進行して、不整脈・頭痛が生じるようになっていた訳ですから、この方の不整脈・頭痛の根本原因は動脈硬化だったことになります。

疲れたときになぜ?・・疲れているときは交感神経優位ですから、血管は収縮しています。プラークで細くなっている血管が収縮するわけですから・・その血管が養っている後頭部〜後頸部〜肩甲骨周辺の筋肉の循環が不良になり、肩こり〜後頭部痛・・・いわゆる緊張型頭痛が生じていたのでしょう。

ですから、肩こりや緊張型頭痛が50歳以上で生じてきた場合は、高率に血管プラークの肥厚・・動脈硬化を疑います。

この種の頭痛では、頭部MRI検査では異常なし・・という結果が出ますが・・・血管エコーでなければプラークは判りませんので・・・・決して安心していけません。

この症例をヒントに不整脈の人を調査したところ・・・

<不整脈の出る人は血管プラーク肥厚(動脈硬化)が進行している!>・・・・ことが・・判明!
慢性心房細動・発作性心房細動ではない不整脈(健診などで指摘・自覚)で検討

不整脈も血管プラーク(動脈硬化)が原因と判明。不整脈の予防・根本治療も可能。

表1(平均年齢を揃えて検討。なぜ?--加齢≒プラークの原料を年齢分だけ長く食べる・・つまり、T-maxは年齢の平均にかなり相関して影響されるからです。)

なお、T-max=C-max+S-max+F-max+A-max (mm)、C-max=左右の頸動脈のプラークの最大肥厚IMT(mm)、S-max=右鎖骨下動脈のプラーク最大肥厚mm、F-max=左右の総大腿動脈の最大プラーク肥厚mm、A-max=腹部大動脈および分岐部の最大プラーク肥厚mm

結果:
1)不整脈も高血圧もない人のT-maxの平均はT-max=7.4±2.7mm
2)不整脈はあるが高血圧はない人のT-maxの平均はT-max=8.4±3.1mm(p<0.01)

つまり、
明らかに、不整脈の出現は動脈硬化の進行と関係しているのです。

不整脈もあり、高血圧もある人のT-maxの平均はT-max=8.9±2.6mm(p<0.005)
このような人の血管プラークは更に進行しているのです。

これらの結果から、高血圧に先行して期外収縮などの不整脈が発生している可能性もあります。

また・・・動脈硬化の進行に伴い、恐らく冠動脈にプラークが溜まるようになり、心筋のリズムをコントロールしている場所に虚血ストレスが生じて不整脈が発生している可能性が示唆されます。

このような病因は、微小血管狭心症の根本原因にも共通するものと考えられます。**疲れたとき・・左胸が重たく感じることはありませんか?・・

ですから、不整脈や高血圧や胸の重圧感を"あまり大したことはない・・"・・として・・放置してはいけません。・・・身体のどこかの動脈硬化(プラーク)が特別な症状なく進行している! と自覚しましょう。少なくとも食習慣は見直すべきです。

(備考:不整脈や高血圧がなくても動脈硬化が進行している事例も多いので注意!)

<慢性心房細動の人・アブレーション治療を受けた人は・・さらに動脈硬化が進行している>

不整脈も血管プラーク(動脈硬化)が原因と判明。不整脈の予防・根本治療も可能。

表2(慢性心房細動 の人達に平均年齢を揃えて検討)

結果:
アブレーションを受けた人・・慢性心房細動の人・・は、血管プラークが激しく堆積(動脈硬化が激しい)しており、血管プラーク肥厚の進行に伴い、不整脈も悪化する。

つまり・・・プラーク・動脈硬化の進展に伴い・・・

健康な人--->不整脈が出る人---->慢性心房細動またはアブレーションが必要な不整脈の人・・・へ・・。と・・進展していることが推察されます。

私の場合も、頸動脈プラークがC-max=1.9mmの当時は・・時々・・心臓がヒヤッとして、期外収縮(不整脈)を感じることがあったのですが・・今の頸動脈プラークは0.96mm と改善し・・・いつの間にか・・そんな不整脈は"ゼロ"・・発生なしです。

また、脳動脈瘤・大動脈瘤があり、更に不整脈が出現し、アブレーションを行うかどうか迷っておられる方が実際におられますが、以下の図から解るように、プラークが肥厚していることは確実です。アブレーション施行に関わらず適切な食生活の改善が必要です。

不整脈も血管プラーク(動脈硬化)が原因と判明。不整脈の予防・根本治療も可能。

慢性心房細動の方々の脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル診断ですが、慢性心房細動に至ってしまった人の動脈硬化は腹部大動脈瘤の方々と同様の動脈硬化レベルです。動脈硬化の未来塾37)からの引用図です。

実際にアブレーションを受けられた方々のレベレベル診断を検討すると・・

結果:
 1)アブレーション11例中8例(72.7%)はレベル3以上でした。
 2)アブレーション11例中7例(63.6%)はレベル4でした。

ですから・

アブレーションで治った:一件落着と思っている・・多くの皆様!・・危険です!

健診や病院での不整脈(心電図:不整脈所見・血圧測定時の"脈が飛びますね"・心臓のドクドク感・心臓がヒヤッと感・脈が飛ぶ・・)などなどあれば・・・・・・8カ所の血管エコーをお受け下さい・・・・・・。

プラークがあれば、プラークを改善させることで、不整脈の予防・根本治療が可能です。*****ご相談ください*****

少なくとも頸動脈エコーは・・受けましょう。本当に危ない人の3〜4割はチェックできます。

(2014年8月4日記載)

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