脳梗塞・心筋梗塞の予防法

「30-40代でも脳梗塞・心筋梗塞・くも膜下出血」 その原因は食習慣

血管プラークと食べ物・飲み物との関係を明確に知りうる立場からすると、今の若者は可哀想です。

なぜなら・・・

倒れる順番が、もうすぐやって来ることを知らせてもらえず・・ある意味安心して「旨い」「美味しい」という誘惑のままに・・グルメっている・・自分はまだ若いから・・と・そんな風に私の目には映る・・からです。

実例1. 35歳女性

症例の背景

2015年5月・・脳梗塞の1ヶ月前の健診  BMI=31.2(肥満) LDL=164 TG=310 HDL=44 BP=200/--- 血糖=299  頸動脈検査もなし。 アルコールは月2回程 酎ハイ2杯 小さいときから朝は毎日パン食:食パンにバター付けて。食習慣点数=233点 甘い物:好き、肉:好き、野菜:好き、魚:好き、揚げ物:普通・・・好き嫌いなく・・なんでもよく食べる。 運動:あまりしない。
2015年6月 仕事中に呂律が回らず・・・MRIで脳幹部梗塞 リハビリするも上肢片麻痺が残る。
2015年12月当院受診 8カ所の血管エコー(上図)。首は硬くない。

ポイント:

  • 脳梗塞の前に8カ所の血管エコーを行っていれば、脳梗塞は防げた
    (備考:若年者の脳梗塞は、卵円孔開存などでの血栓流出型の脳塞栓なども多く、プラークの肥厚による脳血栓症と、血栓が心臓から脳血管へ流れて生じる脳塞栓症の鑑別にも8カ所の血管エコーは役立ちます)

実例2. 43歳男性

症例の背景

アルコール多飲者。たばこ40本/日以上。甘い物:好きではない、肉:好き、野菜:大好き、魚:好き、揚げ物:好き BMI=23.2
2009年2月 TC=138 LDL=56 TG=117 HDL=59
LDL: 低値  L/H比=0.95:異常なし 血圧=154/90(家庭血圧=130〜145/80〜90)
2009年5月 くも膜下出血
(アルコール多飲者で、LDL低く、肥満者でもなく・・・健診では、くも膜下出血の予知は困難)
2009年7月 8カ所の血管エコーを行う(上図)

ポイント

  • アルコール多飲者は上図のように、大動脈のみ石灰化したプラークを認める場合も多い
  • 「アルコール多飲者」と「御菓子類の食べ過ぎ」の場合は、LDLがむしろ低値となりやすい。---健診で見落とされる可能性が大------
  • LDLが低値の場合は,くも膜下出血を来す症例が多い。(LDL低値を喜んではいけません)

実例3. 45歳男性

症例の背景

心筋梗塞になるまでの食習慣:牛乳を週に2回コップ1杯。アルコールはあまり飲まない。甘い物:好き、肉:好きではない、魚:好き、揚げ物:大好き。食習慣点数=419
2009年7月(心筋梗塞の3年前この頃から睡眠時無呼吸症候群(SAS)指摘.
2010年10月(心筋梗塞の約2年前)健診:LDL=147 TG=131 HDL=37 BMI=22.5
2012年7月(心筋梗塞)ステント留置によるPTCA( 経皮的冠動脈形成術)
2012年12月 頭部MRI=異常なし
2013年10月 8ヶ所の血管エコー施行

ポイント

  • 2010年の健診時に8カ所の血管エコーを受けていれば心筋梗塞は防げた
  • 頭部MRIでは頸動脈のプラークを診断出来ていない。
  • 睡眠時無呼吸が心筋梗塞の原因ではない! プラークが原因で・・結果として・・睡眠時無呼吸&心筋梗塞が ・・時間差で発現(どちらも結果)しただけなのです。

実例4. 39歳男性

症例の背景

10年前〜毎朝:パン食。10歳〜20歳まで、牛乳:毎日1g。アルコール:多飲者。甘い物:普通、肉:大好き、野菜:好き、揚げ物:好き、魚:大好き、運動:かなりしている。
2009年1月(34歳)頃から、飲酒した日に、睡眠時無呼吸あり。
2014年1月 健診 頭部MRI:異常なし。 LDL=160 TG=209 HDL=43 右頸動脈IMT=1.0mm 左頸動脈IMT=1.6mm
2014年2月 当院初診 (8ヶ所の血管エコー:上図)

ポイント:

  • 毎日のパン食&牛乳の毎日多飲-----プラークリスク大。
  • 肉大:好き、揚げ物:好き、魚:大好き・・いずれもプラークのリスクファクター
  • 頭部MRIでは大腿動脈のプラーク検出は出来ない=動脈硬化の程度判定に不向き。
  • 頸動脈エコーのみでは他の部位のプラークは見落とす結果になり、誤診を招く。

実例5. 31歳女性

症例の背景

小さい頃から毎朝:パン食:食パンにバターor ジャム。この数ヶ月はパンにココナッツオイル付けて食べていた。昔は御菓子類が大好きで沢山食べていた。
2013年11月 健診:BMI=19.1(やや痩せ型) LDL=93 TG=69 HDL=74 血圧=100/--(低血圧気味)--健診では褒められる。
2015年12月当院受診(8カ所の血管エコー:上図)

ポイント:

  • コレステロール(LDL)の検査はプラーク発見に役立たない。
  • 御菓子類を沢山食べると右鎖骨下動脈にプラークが沢山溜まる傾向がある。
  • 頸動脈エコー健診では、動脈硬化(プラーク)に関して、間違った評価を下される。
  • 8ヶ所の血管エコーを受けなければ・・この方の将来の心筋梗塞・脳梗塞は防げない。

実例6. 31歳男性

症例の背景

好き嫌いなく、甘い物、肉、野菜、魚、揚げ物:全て好き。
2014年8月:健診 TC=235 LDL=143 TG=203 HDL=49 BMI=25.7(肥満気味)
2014年10月 当院受診:(8ヶ所の血管エコー:上図)

ポイント:

  • 10年間で 体重が55→76Kgと徐々に増加・・何でも食べ過ぎ・・が一番のプラークの原因でしょう。

<つぶやき>

今の世の中は・・認知症・脳梗塞・心筋梗塞などの血管病・・その蔓延時代です・・・血管病の本当の原因は「食べ物・飲み物」なのですが・・・その結果として生じた障害「プラーク肥厚」を・・「食べ物・飲み物」を放置して・・薬で解決しようなんて・・満足のいく治療結果など望めるわけがありません。

若者も老人も・・医師でさえも・・
血液検査のLDLが高いと薬を飲むように指導され、LDLが低いと褒められ、L/H比が低いからと安心させられ、頸動脈にプラークがないから・・と安心させられ、頭部のMRIで異常なし・年相応だから・・と・・動脈硬化の程度を安心させられ、動脈硬化の検査と称して、CAVI検査(血管年齢)とかABI検査などの結果で・・血管プラークの存在・程度を評価もせずに安心・不安・納得させられ、脂肪成分・油料理・アルコールを制限することなく糖質制限食を勧められ、血管プラークと食用油(オイル)との関係を研究もせずに、ココナッツオイル・亜麻仁油・オリーブ油・エゴマ油・米油などの油が健康にいい・・と強く勧められ、血圧が高くても血管プラークの存在に関心を向けてもらえず、A1cが高くてもプラークの検査をしてもらえず、スタチン剤を止めていただく様に主治医にお願いしても・・(スタチン剤で動脈硬化を治された経験がないはずなのに)・・聞いてもらえず、脳梗塞になったら・・5年で##%再発すると・・おどされるも・・予防の具体策は示されず、 脳梗塞で入院しても、揚げ物・油炒め・牛乳がカロリー計算内で・・普通に病院食としてだされる現状に・・・・"涙"!

最近、42歳の麻酔科医が手術担当中に・・心筋梗塞になられて・・急逝されました。また、医学部の教授でさえ・・心筋梗塞や脳梗塞で倒れられている・・

そんな悲しい時代・・・"動脈硬化に関する学問の混迷時代"を・・・早く終わらせたい。

そのためには・・まず・・コレステロールが動脈硬化の原因であるとする間違った日本の医学常識から脱却しなければ・・日本は自滅するでしょう・・・目を覚ましましょう・・「動脈硬化改善」google 検索のトップをご覧下さい。LDLとスタチン剤の"からくり"を図示しています。

特に、一般臨床医の先生に御一読いただければ幸いです。

2015年12月24日 記載

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