脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法

ヨーグルト(牛乳製)は動脈硬化(プラーク)を進行させる可能性あり。頻回の多食は危険。

私の“食品とプラークの関係”の実地研究において、当初から乳製品のヨーグルトを毎日食べている人のプラークの改善が悪く、ヨーグルトを摂取しているのでプラークが悪化しているのでは?・・との疑問の症例も多々ありました。

また、そんな中で、2013年6月に・・76歳の男性で・・子供の時から牛乳を毎日400cc現在も飲み続けている方が受診されました。8ヶ所の血管エコーでは“腹部大動脈瘤”を認め、血管プラークは腹部大動脈-max=4.6mm 大腿動脈-max=2.1mm 腸骨動脈-max=4.6mm 頸動脈-max=3.0mm 右鎖骨下動脈-max=2.7mm 脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 T-max=12.4mm と、かなり激しく全身の動脈硬化が進行した状態でした。

しかし、
食習慣点数=192点あるものの、それ程の高得点ではなく、アルコール歴も1日に日本酒2合程度、食の好み調査でも、野菜は好きで、魚は大好き、肉も甘い物も 普通の食の好みでした。・・別に、この年齢にしては、特別に悪い食習慣でもないのに・・・私の経験から・・・この動脈硬化の程度は普通ではないな〜と・・。・・プラスアルファの何かがある・・・。

この時から、牛乳は“液体の肉”だから多飲は危険かも?・・・・との思いを持ち続けていました。

そんな中、2016年の3月に・・・

3年前〜乳製品のヨーグルトを毎日400cc も多飲していた若い方が、頸動脈プラークを指摘されて受診されました。 結果は下図のごとく頸動脈には驚くほどのプラークが存在していました。


(備考:IMT=血管壁の内膜・中膜の肥厚=「プラークの厚さ」の事で単位はmmで表現)

症例の詳細:48歳の男性

BMI=17.9 食習慣点数=32点! 食の好み:甘い物は好きではない、肉は普通、野菜は大好き、魚は好き、揚げ物は普通・・アルコールもほとんど飲まず(付き合いでごく少量)、喫煙歴(-)、牛乳摂取(-)、バター摂取(-)。なお、高血圧(-)、糖尿病(-)です。

2007年から、ある病気をきっかけに・・卵1日1個と野菜中心の食生活。主食は白米を混ぜた玄米食で、魚はウルメイワシ2〜3匹程度。肉はほとんど食べず、いわゆる菜食主義的な食習慣。

しかし、3年前〜ヨーグルトを400cc食べる習慣を追加しました。

一見すると、健康に良さそうな食習慣ですが・・
8カ所の血管エコーでのプラークは、腹部大動脈(A-max)=2.06mm大腿動脈(F-max)=0.72mm
頸動脈-max=4.69mm(左=4.69mm, 右=1.91mm) 右鎖骨下動脈(S-max)=1.12mmでした。たまたまですが、頸動脈に激しくプラークが存在していたのです。

プラークの解説:2015年12月(3ヶ月前)にA病院にて左頸動脈にプラーク:2.0mm(右頸動脈には1.9mm)を指摘されています。2016年3月の当院初診時に、A病院で測定された左頸動脈プラークの同部を測定したら2.20mmでしたので、やはりプラークは現在も進行中であると言えます(上図)。

また、当院受診時には左頸動脈の外側壁に4.69mmもプラークが存在し、パワーフローというカラー表示でなければ見落としやすい均一で軟らかい脂肪成分が、急速に堆積中であると推察される所見を認めました(上図)。 この4.69mmのプラークは2015年12月にも存在していたと考えられます。(備考:動脈エコー検査は、装置と技術と経験に大きく左右される検査です)

採血検査:2015年12月 TC=210 LDL=112 TG=37 HDL=84  L/H比=1.33
LDLが比較的低くても、L/H比が<1.5 でも、プラークは激しく堆積しています・・・
L/H比を個別のケースで動脈硬化予測の目安にするのは危険すぎます。

その他の検査:2015年12月の頭部のMRIでは特に異常なし。・・・でも・・脳・脳血管のMRI検査は頸動脈プラークの状況の把握にはあまり役に立ちません。最低でも、頸動脈エコーを受けましょう。

自覚症状:2016年1月頃から、安静時に胸から背中への違和感、朝のふらつき、頭痛、肩こり、こむら返り、いびき、寝汗・・・などの動脈硬化(プラーク堆積)によると思われる症状が出現していますが、これらの症状の発現も・・プラーク肥厚が現在も進行中である・・というサインとなります。

考察:48歳で頸動脈に4mm以上のプラーク! 普通に考えれば肉の多食が最も考えられます。
この方の場合は、3年前から脂肪分3.8%の牛乳製ヨーグルトの400cc を・・毎日摂取していました・・・ ということは、400cc中の(脂質量)脂肪分は15.2gとなります。つまり・・2日で15.2×2=30.4gの牛の脂肪を食べていることになります。

一方で、輸入肩ロースステーキ100g中の脂質量は17.4gですので、 400ccのヨーグルト2日分の脂肪分30.4gを含むロースステーキは175gとなります。

日本では普通サイズのステーキは約150gですから、この方は・・肉を食べていないつもりでも・・やや大きめの輸入肩ロースステーキを・・3年間も・・1日置きに・・食べ続けていたことになります。 (和牛の肩ロースなら輸入牛の2倍も脂質量がありますので、4日に一度の脂こってりのステーキを食べていた計算になります・・これでも多いですね)

以上の結果から、「この症例の頸動脈プラーク肥厚の原因は・・・牛乳由来のヨーグルトの多飲である可能性が極めて高い」・・・と言わざるを得ません。

コメント: この方に関しては、今後、抗血小板剤&RAP食でのプラークの変化を見守りたいと思います。

関連情報:
牛乳摂取とプラークの程度(T-max:8カ所の血管汚れの総和)との関係を調べました。

60歳以上の2629人中、牛乳を成人になってから3年間以上、毎日180cc飲んだ食習慣がある人575人(平均年齢68.9±5.9歳)のT-maxは8.96mm±3.20mm、牛乳を飲む習慣がなかった551人(平均年齢68.6±5.2歳)のT-maxは8.65mm±3.09mm であり、統計学的に2群間に有意な相違は認めませんでした。

つまり・・牛乳やヨーグルトの180ccを3年間以上飲んでも食べても・・・それだけでは心配は無用です。

ただし、個別の症例では、頻回の多量の乳製品はプラークを悪化させる可能性がありますので、プラークが溜まりやすくなる40歳以上の人は、習慣的な乳製品の摂取にはご注意下さい。

また、市販の豆乳ヨーグルトを110〜300cc食べるとプラークの改善は良好ですが、豆乳で作ったヨーグルトを400cc以上食べたいなら、砂糖無添加の製品や自家製にしましょう。

結論:乳製品の頻回の多食は危険な場合がある。


2016年7月11日 記載

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