脳梗塞・心筋梗塞の予防法

高血圧の原因は血管プラークと体重増加(肥満)です。遺伝も塩分も関係ない。

今まで原因不明と考えられてきた「本態性高血圧」の本当の原因を科学的に解明しました。
高血圧(本態性)を治すためには「高血圧の原因」を正しく理解する必要があります。

名探偵シャーロックホームズ・・・になったつもりで・・以下をお読み下さい。

一般に、高血圧が持続して・・動脈硬化(プラークの堆積)が進行する。・・と、考えられています。・・・・・・・しかし、これは正しくありません。・・・その高血圧はどこから来るの?・・そ・それは本態性といわれて・・不明なのです・・(この論理は科学者なら理解できないはずです・・医学生に・・「原因不明です」・・と説明(思考停止させる教育)してもいいのでしょうか?

今回の研究目的は・・・すでにサイトで証明していますが「血管プラークが溜まりだすと・・高血圧になり・・・プラークが更に進行すると高血圧の程度も進行し・・プラークが減ると・・・血圧が低下する」。・・これは物理的に納得できる高血圧に関するメカニズムです。

しかし・・・血管プラークが溜まっているのに高血圧にならない方々の理由が不明でした。・・・ (これこそ・・・「血管プラーク(原因)が溜まりだしてから・・その結果として・・高血圧になる」ことを裏付ける科学的な証拠だったのです・・もし、高血圧が動脈硬化(プラーク)の原因だったら・・・こんな現象“高血圧がないのに動脈硬化がある”・・は有り得ません。)・・・以下に検証結果記載。

しかし、この“鶏が先か、卵が先か”の論争を複雑化させている症例を時々経験します・・・つまり、・・肥満は高度だけれども・・プラークは溜まっていない(動脈硬化ではない)・・けれども・・高血圧である方々の存在です。

そこで・・
高血圧の真実に迫る研究・・T-maxという科学的測定法を用いて

研究1:

目的:
肥満と高血圧との関係を科学的に解明すること

対象と方法:
2016年7月までの過去9年間に、T-max( A-max+F-max+S-max+C-max)を測定し得た4805例中、30歳以上で、全身8カ所の血管エコー検査を行い、BMI、降圧薬服用の確認を行えた症例で、T-maxが5mm以下(ほとんどが脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=0)つまり、末梢血管にプラークがほとんど無く、プラークによる末梢血管抵抗が非常に少ない症例の1255例で検討。高血圧の診断は降圧薬を服用中の症例を高血圧(+)とし、服薬なしの症例を高血圧(-)と分類しました。

検討1. 肥満度が増すと、高血圧の割合が増えるかどうかを調査

結果:
以下に記載

1)肥満状態になると、血管プラークの進行が無い症例においても、高血圧薬(降圧剤)の服用に迫られる高血圧となる症例が16.9%も存在する。

2)肥満の人は痩せ型の人よりも5.8倍も高血圧になりやすい。

3)標準体重の群の中で、BMIが僅かに上昇しても、高血圧のリスクは階段状に確実に上昇する。

考察:

  1. 徐々に進行する肥満によって、末梢の血管が周囲の脂肪組織などから圧迫されて狭小化するために、末梢の血管抵抗が増すために、心臓は出力を上げ、高血圧になる。
  2. 肥満による脂肪組織の増大により、末梢血管は伸ばされ&細くなり、その結果として血流抵抗が増大して・・高血圧になる。
  3. 肥満して増加した脂肪組織への血流をまかなうためには、心臓は拍出量を増やさねばなりませんが、この出力を上げるという・・心臓さんの思いやりも高血圧へと傾きます。

結論:
体重を少しでも増やすと高血圧の確率も確実に高くなる・・ならば、逆に体重を1〜2kgでも減らすことは、血圧を安定させる合理的な方法であるといえる。

ただし、ベストセラー書籍で話題の“糖質制限ダイエット”や“MEC食”などの・・血管プラークを増やす食習慣を参考にして体重を落とすことは・・心筋梗塞・脳梗塞になりやすいので・・極めて危険です。

しかも・・身体全ての血管が汚れて細くなるわけですから・・目に見える形での老化現象が顕著に表れます。

単純に痩せても、単純にA1cを下げても・・決してプラークは減りません=決して心筋梗塞・脳梗塞のリスクは低下しない・・健康の判断材料はプラークの増減なのですから。

体重を安全に減らしたいなら・・当院の「RAP食」をお勧めします・

検討2. 動脈硬化がほとんど進行していない症例での、高血圧(+)群と高血圧(-)群でのBMI、食習慣点数を調べました

結果:

1)プラークによる末梢血流抵抗の影響を除外した症例において、高血圧群は明らかにBMIが高値である。

2)同じく、高血圧群は、塩分摂取量を全く考慮していない食習慣点数が明らかに高く、揚げ物、脂の多い肉類、お菓子類を好む食習慣であったと思われる。言い換えれば・・塩分以外の食習慣が大きく高血圧に影響している。

考察:
血圧を下げるには、食習慣点数が低値となるような食習慣「RAP食」が必要で、その結果として、血圧も低下し、肥満度も低下すると考えられる。
プラークを減らし、体重を減らし、血圧も減らし、免疫も高める「RAP食」は、血管病や認知症の予防にもなり、高齢者に限らず、若年者にとっても病気にならないための理想的な食習慣と思われる。

備考):
塩分制限は、プラークや肥満に対しては・・直接の関係は無く・・・・従って・・血圧を安定させるための塩分制限は特に必要ではありません。・・・
だからといって・・多く摂りすぎてはいけません。
ただし心不全や腎不全の傾向(Cr:2.5以上)がある場合には・・塩分少なめ・・が必要。

研究2:

目的:
本態性高血圧症を解明するためには、高血圧になり始める若い世代(30〜50代)の高血圧の状況とプラークの状況を同時に把握する必要があります。
  そのためには、比較的若い世代を対象に、血管プラークがあまり溜まっていない例(初期の動脈硬化症例)における高血圧に関するデータが必要になります。

対象と方法:
対象は30〜50代とし、肥満による高血圧の影響を最小限にするために、BMIが22未満で、T-maxが8mm以下の比較的初期の動脈硬化群の857例で検討しました。
高血圧(+)群は降圧剤を服用群で、高血圧(-)群は降圧剤を未服用群です。

検討1. T-maxが高値になると高血圧の割合が増えるかどうかを調査。

結果:

1)T-maxが1.5mm増加するたびに、高血圧のリスクは約2倍上昇。

2)T-maxが3.5mm以下から6.5〜8.0mmへ増加すると、10倍も高血圧になるリスクが上昇。

3)BMIが22未満で、プラークがほとんど溜まっていない人が高血圧になる確率は希である。

考察:

  1. 高血圧の原因が血管プラークであるので、塩分制限の効果は期待できない。
    塩分制限で、プラークは減少しません・・・つまり、塩分制限は高血圧の治療としては根本的ではないのです。たとえ、血圧が低下しても・・その場しのぎの効果・・でしょう。
  2. 以前にサイトで述べましたが、“洋風肥満の方々(T-max=10.0±2.8)は、和風肥満の方々(T-max=8.4±2.7)よりも10.2倍も脳梗塞・心筋梗塞になりやすい”・・・でも洋風肥満群では高血圧(52.9%)、和風肥満群では高血圧(43.6%)でしたので、和風肥満、洋風肥満の両群においての高血圧の頻度に関して・・大きな違いを認めませんでした。(和風肥満と洋風肥満の違いはここをクリック)

    ・・・・つまり・・・高血圧に関しては・・肥満の程度の方が、プラークの程度よりも血圧の高低に影響している可能性が示唆されます。
  3. 痩せ型で、プラークがほとんど堆積していないのに高血圧になる・・その希な症例の原因追求の参考になる症例呈示が、福井県済生会病院 内科 大倉 誓一郎 先生よりありました。

    その症例とは、「58歳女性、BMI=17.7痩せ型、T-maxを測定すると4.3mmでありプラークはほとんど堆積していないので、自律神経が作用した高血圧では?と考えて安定剤を使用したところ、随伴症状も消失し血圧も安定し、降圧剤を止める事ができた・・・」という1症例です。

検討2. 高血圧の原因が、肥満でもなく、血管プラークでもない・・その希な症例を具体的に検討しました。

対象:
表3の症例中、T-maxが4.0mm未満の7症例で検討しました。

結果:

1)7例は全例が女性でした。

2)7例中、Case2、Case5、Case7 の3例が自律神経失調による高血圧が疑われました。

3)Case 1は腎機能の関与、Case 3 は更年期障害、Case 4 は左室肥大 などが高血圧に関与している可能性も考えられます。

4)Case6の症例は、T-maxが3.65mmとプラーク堆積は非常に少ないと判断されますが、左右の頸動脈にプラークを認めていました。コレステロールを下げる薬であるクレストールを中止いただき・・・LDLは124→ 224へ上昇したままですが、1年半で左の頸動脈のプラークは1.53→ 1.43mmへ、右の頸動脈のプラークは1.26→ 1.18mmへと、明らかにプラークは改善し、頭痛・肩こりは全く消失し、高血圧も低下・・安定し、降圧剤の減量から終了も可能です。

備考)

  • 男性の場合の高血圧は、自律神経失調の要素があったとしても、高血圧の原因としての肥満や血管プラーク堆積が複合したものと考えられます。
  • T-maxが低値であっても、血管プラークが原因となっている高血圧は存在します。

検討3. 高血圧(+)群と高血圧(-)群でのT-maxを比較調査

結果:

1)高血圧(+)群では明らかにT-maxが増加している。つまり、動脈硬化(プラーク)レベルが高い。

2)高血圧(+)群は明らかに高血圧(-)群よりも高年齢である。

次に、今までの研究1・2の結果から痩せていて高血圧がある人は、痩せていて高血圧がない人よりも血管プラークが溜まっている可能性が高い・・という仮説を立てて、実際に検討しました。

仮説の検証: 30歳以上で、痩せ型の人(BMI<18.5)で高血圧がある46人の
T-max=9.02±3.21mm
(平均年齢68.0±8.9歳)でしたが、高血圧がない人(年齢補正後の116人)では、T-max=7.55±3.1mm(平均年齢 67.8±6.6歳)であり(p=0.008)、

同じ痩せ型でも、高血圧があればプラークの程度がかなり進んでいるという・・証明が可能です。・・

研究1&2 に関する総合的な考察

  1. 高血圧の主原因は末梢動脈のプラークや肥満による末梢血管の狭小化によって、血流抵抗が増加し、末梢の血流供給保持のために、心臓の思いやりによる心臓出力の増大こそが・・高血圧になるという最大の原因と考えられた。

    なお、血管の壁にプラーク形成されると、血管内面の滑らかさ度の低下や乱流の発生も血流抵抗が増す要因かもしれない。

    自律神経の失調状態による末梢血管抵抗が増大し、高血圧になる場合も・・希ですが、本態性高血圧の原因です。
  2. 血管プラークが堆積しだす初期においては・・プラーク堆積がわずかであれば、血管径が自然の法則に従ってプラークの堆積分だけ拡張し、そのために末梢血管抵抗が上昇することがないので・・血圧は上昇しないで済みます。(ただし、この血管拡張が脳血管で生じれば、慢性の原因不明の頭痛となります。この僅かの脳血管拡張はMRIでは診断不可能)

    従って、高血圧とプラーク堆積は同時期に生じる物理的変化であっても・・プラーク堆積が先で・・・血圧上昇は・・その後の物理的な変化・・と、考えられます。
  3. 本態性高血圧の原因が体重増加&プラークであることは実証できましたが、本態性高血圧の何割がプラーク由来なのか、何割が肥満化によるものか・・・ザックリと考えると・・表1においては、1255人中120名の9.6%が高血圧症であり、表3においては、857人中の75人(8.8%)が高血圧症ですから・・・本態性高血圧症の約5割は動脈硬化(プラーク)が原因で、残りの約5割が肥満化によると思われます。その他に、本態性高血圧の原因の希な例として・・様々な要因による自律神経失調などによる原因も存在し、そのような症例は女性である可能性が高い。
  4. 体重が減らない遺伝病はなく、プラークが溜まりやすい遺伝病もない。・・よって・・本態性高血圧の原因は遺伝とは関係ない。
  5. 運動不足で肥満にはなるので、本態性動脈硬化の原因の原因は運動不足であることは・・正しい。
  6. アルコールを飲み過ぎると血管プラークが溜まるのは事実ですから、本態性高血圧の原因の原因はアルコールの飲み過ぎ・・は・・・正しい。
  7. 慢性のストレス過剰で・・自律神経失調症になったり、過食になったりすれば・・本態性高血圧になるのは・・・正しい。

研究1&2に関する・・総合“まとめ”

  1. 本態性高血圧の原因の約5割は動脈硬化(プラーク堆積)が主な原因。
  2. 本態性高血圧の原因の約5割は体重増加(肥満化)が主な原因。
    実際の症例では、上記2つの原因が複合して高血圧を発症する場合が非常に多いと考えられる
  3. 本態性高血圧の原因は、動脈硬化=プラークであるので、塩分制限は有効ではない。なぜなら、塩分制限してもプラークは減らないから。(減る道理もない)
  4. 本態性高血圧の原因は、体重増加であるので、塩分制限は有効ではない。なぜなら、塩分制限しても体重は減少しないから。
  5. 本態性高血圧症を疑う場合においては、まずBMIとT-maxを測定し・・その結果、
    @:BMI≧25 & T-max≧5.0mmであれば、RAP食&カロリー制限にて食事療法。
    A:BMI<25 & T-max≧5.0mmなら、RAP食を。(自然に体重は減るので)
    B:BMI<22 & T-max <5.0mm ならば、自律神経失調などを考慮して対策。
    ※その他のケースは、緩めのRAP食&ストレス対策・・など。
  6. やせ型で・・・高血圧がある方は・・現在・・かなり危険な状態が想定されます。すぐに血管エコーをうけましょう。(最低でも頸動脈エコーを・・MRAでは中等度のプラークは判定困難)
  7. 「高血圧薬は減ることはなく、一生涯・・服薬し続けなければならない」・・・この格言は・・科学的に正しい。・・ただし、今までの食・飲習慣を変えずに過ごすならば・・。
  8. 従来の食・飲習慣を改めて、「RAP食」を守れば・・結果として・・降圧剤から解放され・・おまけとして・・体重も低下し・・・将来への不安も減り・・・本人・家族の経済的損失も・・大幅に低下する。
  9. 動脈硬化を進行させないため(脳梗塞の予防のため)に、降圧剤で血圧をより低く保っておくことが必要・・・などと信じてはいけません。
  10. 血管を拡張させて脳梗塞を予防しようとする方法は、・・流速や血圧まで低下することを考えれば・・得策ではありません。・・・まず取り組むべき別の方策があるからです。

私が考える「降圧剤の必要性」:

  1. 普段は血圧が140〜150位でも、発作的に血圧が180以上になる事が多い場合は、とっさの時に血圧が過度に上がり過ぎて、脳出血を来す可能性がある症例。
  2. 血圧が155程度以上になり・・頭重感などの症状が出る場合。
    血圧が150前後以上の場合は・・症状が無くとも・・血圧を毎日測定するなどの習慣づけが必要・・(健診で:血圧=150/108…その後放置・・3年後に脳出血で右不全麻痺の事例有り)
  3. 大動脈瘤や脳動脈瘤がある場合は、症状の程度に応じて降圧剤を考慮。
  4. プラークの程度が進行している症例は、無理に血圧を140以下にコントロールする必要はない。(理由は前述)
  5. この他の場合は、症状と状況により対応。

付録)・・しばらく休憩して次をご覧下さい・・・主に循環器のDr向けの研究内容でしたので・・

本態性高血圧(高血圧の90%が原因不明の本態性高血圧である・・とされてきた)の 原因を以下に図示しました。------- 一般向け内容 ----------

実際の症例では、「肥満+血管(動脈)プラーク」が原因である場合が大多数と思われます。

この本態性高血圧は基本的には全て治せる病気・・薬からの離脱が可能・・です・・上記の変化は可逆的なのです。
それは、(高血圧の原因である動脈硬化を・・時代に先駆けて・・治せています・・)ので・・

ですが、まだ2016年7月の時点では・・・医学の常識として・・“高血圧も、動脈硬化も治らない病”“動脈硬化を進行させない・・のがやっと”・・ということになっています。

下の図2は、「高血圧の薬は一生飲み続けなければならない・・・」と・・39年前に先輩医師に教わりましたが、そのことの・・なぜそうだったの・・?・・を図にしたものです。

「高血圧をコントロールしていれば・・動脈硬化は進まない・・」と、何十年も臨床現場で信じられ続け・・そんな油断が・・社会全体の油断を招き・・

「高血圧でもないのに・・どうして自分が脳梗塞に?・・」「血圧の薬を飲んで・・血圧は低いのにどうして自分が」・・・という不幸へ導くことになっているのかも・・・。

大変申し訳ありませんが・・糖質制限をまだ実行されている方々へ・・「体重が減った」・・「血圧が下がった」・・・・そんな低いレベルの目標が達成されたからと・・決して喜んでいてはいけません。動脈のプラークが減って・・その時点で喜びましょう。

今回の研究からすれば・・血管エコーという科学の目を用いることなく・・・・・健康にいいから(健康の判断根拠が理論的ではあっても実証的ではない)と・・・・・全く誤った作戦が立案され・現在もなお実行され続けている・・・そういう悲しい現状が今日:2016年の姿です。

当院では、高血圧や脳梗塞・心筋梗塞・・・多数の血管病・・その原因である動脈硬化(プラーク)を治す事を・・2007年末頃から・・日常の業務にしています。

以下の図が・・当院へ通院中の患者さん方の・・代表的な臨床経過です。

<余談>

  1. 塩分制限は、心臓の泊出量を左右する程度しか・・高血圧対策としては効果がないことになります。むしろ、過度の塩分制限は脳梗塞や、夏場の熱中症を誘発することに・・・。
  2. RAP食などのプラークが低下する食事療法をすることなく、降圧剤のみで血圧を下げ過ぎたら・・脳梗塞や脳の微小脳梗塞(白質病変など)の危険性が増すことになります。脳血管のプラークによる狭窄状態はそのままに・・血流が低下するからです。
  3. RAP食を行って血圧が低下しだしたら(おそらくプラークが改善傾向)、家庭血圧を測定・記録して担当医に降圧剤の減量や中止を検討していただいて下さい。「食事に気をつけたら血圧が下がりました。下がり過ぎて脳梗塞が心配です・・」とも、一言付け加えましょう。
  4. 高血圧症の方は、しばしば脂質異常症を指摘されていて・・中性脂肪(TG)やLDLを下げるなどの脂質管理に期待して、決して安全ではないスタチン剤を服用しています・・・スタチン剤では決して・・プラークの退縮は望めません。むしろ、LDLが低下して・・安心して・・美味しい物を食べすぎて・・プラークが悪化するなどの逆効果の弊害が大きくなります。

    スタチン剤よりも、抗血小板作用(血液サラサラ)を期待してエパデールSなどのEPA製剤へ変更していただき、RAP食を頑張りましょう。・・個人病院の場合、スタチン剤中止を申し出る際に、当院のサイトの動脈硬化の未来塾  No 52)をカラー印刷して・・本人希望の科学的根拠としてお使いいただいても結構です。担当のDr御自身もスタチン剤を飲まれていると・・しばしば耳にします・・担当の先生のためにもなる情報と思いますので・・。

「血圧とプラーク治療との関係」--今回の研究結果を踏まえての・・・大まかな予測

  1. RAP食で、体重が増えて・・血圧が下がった・・・・プラークが改善
  2. RAP食で、体重が減って・・血圧も下がった・・・プラークが改善または不変
  3. RAP食で、体重が増えて・・血圧が上がった・・プラークが悪化または不変(非RAP食 ? )
  4. RAP食で、体重が減って・・血圧は上がった・・・プラークが悪化(非RAP食 ? )
  5. RAP食で、体重が変わらず・・血圧は上がった・・・プラークが悪化(非RAP食 ? )
  6. RAP食で、体重が変わらず・・血圧は下がった・・・プラークが改善
  7. RAP食で、体重が変わらず・・血圧も変わらず・・・プラークが不変
・・これはあくまでも、プラークを観察できない場合での・・予測に過ぎません・・

血圧を下げる努力をする場合の注意事項:

  • 食事療法が効を奏するのには時間が必要なので、とりあえずの降圧剤は必要です。
    血圧180以上の場合には、脳出血のリスクが高いので、特に服薬が必要です。
  • 巷には・・「OOだけで血圧が低下・・ 「XXするだけで・・・・・「高血圧は何もしないのが・・
    これらの考えは・・科学的には危険な方策です・・・血圧も上がりたくて上がっているのではありません・・「高血圧」という身体の危険信号を科学的に理解して・・対策:「RAP食」にするのが・・賢明なやり方。
  • 現在服用中の降圧剤を勝手に減量・中止しないようにしましょう。家庭血圧を記録して、担当医にご相談ください。・・・・脳出血も怖い病気なのです。
  • 減塩は必要ありませんが・・特に多く摂取することを勧めていません。普通に摂取可です。 50歳以上では塩分を多く摂ると・・むくみが生じたりしますので・・塩分はやや少なめに。病院食のように厳しく減塩することは必要ありません・・・脳梗塞後でも。 ただし、心筋梗塞後に心不全傾向であれば・・減塩も必要です。

おわりに:T-maxと肥満症と高血圧のデータを積み重ねて、医学界の超難問:「本態性高血圧の原因は?」を解明できた気がします。・・疫学調査よりも科学的で人道的な研究方法であることをご理解下さい・・

病気の原因が解明されて・・何が変わる?・・・人類は・・全ての災難に対して・・原因究明を続けて・・災難・病気の被害を最小限に・・ゼロ・・に出来たのです。

人類がペストを克服したのも・・まずはその原因が“魔女や悪魔”ではなく・・細菌であることを突き止めて・・それからの進歩でした。

参考までに:
「自覚症状とプラーク治療との関係」
高血圧、肩こり、こむら返り、頭痛、朝のふらつき、胸の圧迫感、動悸、不整脈、いびき、SAS・・・これらの症状は動脈硬化と密接な関係がある自覚症状です
が、症状がない方も多くいらっしゃいます。
エパデールSなどの薬による直接の効果も僅かにありますが、基本的にこれらの症状が軽快〜消失すれば、高い確率でプラークが改善中だと思われます。

逆に、これらの症状が出始めたら・・要注意です。 (動脈硬化の自・他覚症状や・・動脈硬化の図解はここをクリック)


2016年7月31日 記載

「脳梗塞・心筋梗塞の予防法」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ