脳梗塞・心筋梗塞の予防法

大豆食品の過食は動脈硬化(プラーク)を進行させるので危険。納豆・ヨーグルトでも

大豆は昔から“畑の肉”と言われています。こんな賢い言葉に対して“昔の日本人はすごいな〜”と、「大豆とプラークとの関係」を調査して「科学の匂い」を痛烈に感じましたが・・

実は、“大豆は畑の肉”という言葉は明治6年(1873)年にウイーンで開催された万国博覧会で、日本や中国からの出品物の一つであった大豆が、ウイーン大学の植物学者により“畑の肉”と評価されたとする説や、出品物の大豆をドイツで成分分析し、ドイツ新聞が“畑の肉”と報道したとする説があるそうです。

私のプラークの増減の研究は、例えれば野球や、テニスやバレーなどのビデオ判定と同じで、映像や写真で判断できる研究です。ビデオ判定による事実に対しては世界中の人が納得します。

世界中が信じて疑わない健康に良いとされる大豆“畑の肉”の過食が、健康に弊害となる動脈硬化を進行させるという驚愕の事実を写真判定でご覧ください。血管プラーク観察と食品摂取の具体的な観察によってのみ明らかになった真実です。

疫学調査では今後も・・絶対に解明できない真実でしょう。

そもそも、植物の1種類に過ぎない大豆だけが、人類のためには無害で、人類の健康に貢献する・・そんなはずが・・科学的に冷静に考えれば・・ありえないことです。人がものを見るときの先入観とは本当に恐ろしいもので、冷静に納豆や豆乳ヨーグルトの成分を考えれば・・それらの過食が健康を害することに・・驚愕する方がおかしいのです。

注)プラークとは(動脈硬化の未来塾 31))


症例1

56歳 女性 2013年9月からプラーク退縮目的で当院通院中


(写真1)


(写真2)

主訴:

  • 頸動脈狭窄症の指摘を受けた

現病歴:

  • 2013年2月頃に“頭がふわー”感で脳外科受診。頭部MRIで異常なし。
  • 2013年8月から動悸を自覚するように。
    循環器科を受診し、頸動脈プラークが進んでいる・・と指摘受け、LDL=192 TG=120 HDL=80 Cr=0.56 スタチン剤を勧められたが服用せず。ホルター心電図:異常なし。動悸は自律神経の影響だろうということで漢方薬処方されて内服した。同時に当時の当院のRAP食を参考に食事療法開始。
  • 2013年9月 当院初診 この頃には動悸が消失し漢方薬も中止。
    <8カ所の血管エコー所見>
    1. 腹部大動脈max-IMT=2.8mm
    2. 右大腿動脈max-IMT=2.1mm
    3. 左大腿動脈max-IMT=2.5mm
    4. 右鎖骨下動脈max-IMT=3.5mm
    5. 右頸動脈分岐部max-IMT=3.5mm(写真で提示)
    6. 左頸動脈分岐部max-IMT=1.9mm
    7. 右総頸動脈max-IMT=0.8mm
    8. 左総頸動脈max-IMT=1.9mm
     *:脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=4 (0〜4)に評価

経過:

1)初診時に右頸動脈の縦断像も参考にして狭窄率は63.8%。このような狭窄率の場合はステント留置術や頸動脈内膜剥離術などの観血的治療も検討されるのが現代医学の標準的な医療です。でも、当時のRAP食を3年間行って3.5→2.78mmまでにプラークが退縮(写真1)。

このプラーク改善(退縮)の理由は、20代からの食習慣を細かく問診して得られる賜物なのです。悪くなった原因を個別に追求しなければプラークは改善いたしません。

20歳頃までのおやつは菓子パンで、20歳頃からの食事は基本的に洋食で、食が細く、朝食抜きの生活(おやつの菓子パンは卒業)。昼は毎日トースト1枚にバターを塗って食べていた。しかも、夜は毎日ケーキ各種を必ず1個たべていました。(頸動脈狭窄の発覚まで)

これらの食習慣をRAP食で和風に変更して写真1の結果が得られました。2014年11月の約1年後には右頸動脈max-IMTも3.5→3.18mmへ 右鎖骨下動脈max-IMT=3.2→2.25mmへプラークは順調に退縮中でした。
プラーク退縮にスタチン剤の服用は逆効果です。(動脈硬化の未来塾 52) (動脈硬化の未来塾 33) (動脈硬化の未来塾 35) (動脈硬化の未来塾 68) (動脈硬化の未来塾 77)

そして、その2年後の結果が写真1(下段)なのです。

しかし、ドラマはこれで終わりませんでした。人類の常識を覆す“驚愕の事実”が明らかになる前章に過ぎなかったのです。

2)2017年10月の再診での血管エコー(写真2上段)・・我が目を疑いたくなりました・でも・・・頸動脈プラーク肥厚は明白な事実。右頸動脈max-IMTが2.78mm→3.40mmへ、この1年間で急速に増加(写真1&2)。右鎖骨下動脈max-IMTも2014年(3年前)の2.25mmから3.76mmへ急速に肥厚しました。一時、私の頭が真っ白に・・でも大豆食品が原因では?・・と脳裏に浮かびました。 なぜなら・・・私のホームページで2014年7月には、豆乳ヨーグルト220g/日を推奨し、2017年5月から納豆を積極的に推奨した後に、多くの症例でプラーク改善のスピードが鈍化し、逆にプラークが悪化する症例の増加も感じられ、以前は夢にも思っていませんでしたが「大豆食品の過食はプラークが悪化するのでは?」との疑念を持ち始めていた矢先の出来事でした。

この症例の最近1年間の大豆食品関係の摂取状況を詳しく尋ねると・・・・驚きました・・
・毎日納豆は3パック・・(2013年までは納豆嫌いでしたが、私に勧められて食べているうちに好きになって・・)
・豆乳ヨーグルトは毎日600g
・枝豆を毎日どんぶりの容器1杯(両手に乗る程度)
・炒り大豆(100〜200g/w)100gを週に1〜2回

でも、エパデールS(900)2,2x+ラックビー微粒N,2g,2xは服用中。トコロテンも300g/日摂取中でした。いずれもプラーク退縮に貢献しているはずですが、大豆食品のパワーの前には焼け石に水なのでしょう。

上記の大豆食品(発酵食品である納豆やヨーグルトも例外ではなく)を制限した結果・・・2018年10月には増加した右頸動脈のプラークはmax-IMT=3.40mm→1.96mmへ激しく減少(写真2下段)。
また、右鎖骨下動脈もmax-IMT=3.76mm→3.56mmへ改善していました。


結果:

  • 大豆食品(納豆・豆乳ヨーグルト・枝豆など)の過食がプラーク(動脈硬化)を明らかに肥厚させた症例を経験した。

考察:

  • 同様の大豆食品の過食によると思われるプラークの肥厚は、その視点で観察すると非常に多くの症例で経験されますが、そのごく一部を掲載中(血管エコー実例・研究  29))。最近では、大豆食品(納豆、豆乳ヨーグルト、炒り豆など)の過食を禁止した最新RAPを守れた症例のほとんどの例でプラークは退縮しています。したがって、大豆食品の過食がプラークの大きな原因の一つであることは、本症例に限らず普遍的な事実であると考えられます。本例は(血管エコー実例・研究  29))の2018年1月29日追記の「大豆とプラークとの事実関係・・実例に学ぶ」のCase1です。
  • 大豆食品の過食は健康を害するにも関わらず・・なぜ、世界の・・日本の健康食品になったのでしょう?

日本がまだ貧しかった頃の・・信頼できる究極の疫学調査があります・・・その調査で“大豆を多く食べる村では体格のいい若者が多く、長寿の人が多い”とする信頼できる疫学調査があります。

元東北帝国大学医学部公衆衛生学教授:近藤正二先生の著書「長寿村ニッポン紀行 食生活の秘密を探る」(昭和47年)に記載されている興味深い記述を抜粋して紹介します。

1)「P36-37にかけて・・米どころの長寿村は徳島県の藍園と高原です。・・有名な貧乏地帯だから・・・東北の米どころというのは短命と決まっているけれども・・この地域では・・コメは大切な売り物だから・・そして魚が毎日手に入りにくい(内陸部)・・・くだけ米や麦や大豆やイモを食べるが・・大豆をよく食べる(太文字で強調あり)』
事実1:昔の動物性タンパク質・脂質は主に魚からです。動物性脂質の摂取不足の場合は植物性脂質を多く摂取しても長寿・・つまりプラークは進行しないだろうと思われます。

2)「P135 :大豆を食べる長寿村 有芸村と鳴沢村・・・岩手県有芸村は第二次界大戦の頃の国の徴兵検査で「甲種合格」つまり、体格のいい男子を多数送り出して評判になった。しかも長寿村。ここは海抜400mの山の中。宿で、海の魚がないので山の魚でがまんしてくださいと・・お皿に2丁の豆腐が出された。・・豆腐は植物性の優良なタンパク質源で・この村では豆腐は毎日腹いっぱい食べている日常食にすぎないのでした。・・ふだんは全くと言っていいほど、魚や肉は食べません・・有芸村では動物性タンパク質の不足を、すぐれた植物性タンパク質で補っている。  P143:日本一みそを常食とする山梨県の鳴沢村・・三度三度みそを食べる(太文字で強調)・・・同じく、徴兵検査で「甲種合格」が多く、長生きの人が多い。・・富士山麓の村で、海抜900〜1100mの高地の村。魚はほとんど食べません。と言うより手に入らない。ここでは大豆のみで作ったみそ(薄味)を朝昼晩と3度たくさん食べている。味噌汁などは1食に6杯食べるなど、昼は焼きみそをおかずにするなど、毎食食べるみその量はそうとうなもの・・」

私の解説:昔から大豆といえば植物性のタンパク質が代名詞ですが、実は植物性の脂質が10%も含まれており、大豆の多食は植物性のタンパク質&植物性の脂質をたっぷり摂取できるのです。だから魚や肉を全く食べないでも徴兵検査で「甲種合格」になるのです。

“海の肉”や“陸の肉”を食べないでも“畑の肉”をたくさん食べていれば立派な体格が出来上がります。

豊かになった現代の日本人はどうでしょう?お金さえあればどんなに山の中でも魚や肉がいただけます。大豆食品が健康食品であるための正しい言い回しは、「肉も魚もほとんど食べられない状況での大豆食品は健康・長寿に欠かせない食品である」言い換えれば「肉も魚も自由に食べられる状況での大豆食品の多食・頻回食が健康に貢献するかどうかは疫学的にも十分な検討がなされていない」

食品検査機器は脂質やタンパク質の測定で、植物性か動物性かの仕分けはしません。分子構造的にはほぼ同じですから、大豆タンパクだけが植物由来だから上等だとか、大豆の脂質が健康的だとか言われますが、発酵していても、納豆の脂質は原材料からほとんど減っていません。豆乳ヨーグルトの脂質も原材料の豆乳の脂質とほぼ同じです。

発酵食品だから、多食・過食しても動脈硬化(プラーク)が進行しないと期待したのは非科学的だったのです。

大豆食品を制限することでCr:腎機能が確かに改善します。でも、その理由としては大豆=タンパク質:タンパク質が腎臓の細動脈に目詰まりを起こす・・この古くから言われている先入観では説明困難です。

大豆食品制限でCrが低下(腎機能が改善)するのは、植物性脂質制限のおかげで、細動脈のプラークが減少して、細動脈の流れが改善し、Crが低下すると考えられます。(私の仮説)

腎臓食でタンパク質制限のカロリーの穴埋めにサラダ油、マヨネーズなどを勧める腎臓食はいかがなものでしょう・・脂質過剰によるプラークの悪化→腎機能低下が心配です。

テレビなどの放送で
「納豆は毎日2個食べましょう」これは絶対に真似してはいけません。
「青魚をつとめて食べましょう」食べ過ぎは危険です。(動脈硬化の未来塾 86))
「オリーブオイルを摂取しましょう」摂り過ぎは危険です。(動脈硬化の未来塾 54))

結論:

大豆食品の多食・過食は動脈硬化を進行させるので危険です。つまり、認知症、心不全、心筋梗塞、脳梗塞の発症を早めると考えられます。

参考までにノーベル賞の本庶 佑 先生の言葉「人が言っていることや教科書に書いてあることを全て信じてはいけない・・先入観を持たず丁寧に観察し・・・・自分で確認しなさい・・定説を覆すことで新たな世界が広がる・・」



2018年10月23日 記載
真島消化器クリニック

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