脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法

洋風肥満は和風肥満より10.2倍も脳梗塞・心筋梗塞になりやすい

洋風肥満は和風肥満より10.2倍も脳梗塞・心筋梗塞になりやすく、2.3倍も糖尿病になりやすいが、高血圧のリスクは同程度でした(表)。

米国の肥満は洋風肥満だけですが、
日本には洋風食による洋風肥満と和風食による和風肥満の両方がみられます。

これらの多様な食習慣の御陰で、何が健康に良くて、何が悪いのかの研究が的確に行えるのです。

私のアイデアですが、著書「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」(幻冬舎)に記載した食習慣点数400以上を洋風食、181〜399点を和洋食、180点以下を和風食としました。肉類・揚げ物類・油炒め・ケーキ類・フライした菓子の好物、または大好物が多い場合は累進的高得点になります。

逆に、ごはん・野菜・魚などが好きな場合は得点にならないので、低い点数に止まります。

現在は、内臓肥満型・皮下脂肪型・・などの肥満の種類がありますが、動脈硬化との関係で、科学的な比較を行った例は少ないのが現状です。

私の研究によると、動脈硬化(T-max)の程度別に比較した肥満度はほぼ同じでした
参照1)

また、肥満と身体各場所のS-max, F-max, C-max, A-max いずれとも有意な関係は認めず、T-maxとだけ有意な関係を認めました(参照2)。

つまり、総合“血管汚れ”(T-max)のみ肥満と普通体重の間で有意差があり、「肥満」の場合は「普通体重」より血管がより“汚れている”ことが明らかになりました。(参照2

さらに、肥満の場合は、1.8倍も糖尿病になりやすく、1.6倍高血圧になりやすい傾向を認めますが、イベント率や脳梗塞・心筋梗塞レベルが3以上の危険な人の割合では差を認めませんでした。(参照2

そこで、和風食で肥満の方は動脈硬化の程度が軽い(プラークが少ない)ことに着目して、洋風肥満と和風肥満の違いを調べました。

洋風肥満は和風肥満より糖尿病になりやすく、高血圧のリスクは同じでしたが、イベントが10.2倍も発生しているのは驚きです。T-maxも洋風肥満が有意に高く、動脈硬化が進むことが証明されました。

LDL÷HDLで表されるL/H比は、普通体重群に比して高い傾向にありました。

肥満は動脈硬化の原因の過食が原因であって、動脈硬化の原因ではありません。
ですから、単純に体重を落としても動脈硬化の改善には至らない・・・これが自然科学的な考え方ではないでしょうか。(参照3

肥満は動脈硬化の本流の流れの外にあります。

肥満は動脈硬化の原因でもなければ、結果でもありません。
単に沢山食べて、余ったタンパク質や炭水化物・良質の脂肪が内臓・皮下脂肪として将来の氷河期のために蓄えられているだけなのです。

ですから、
肥満を解消しても、動脈硬化が改善されるわけではありません。
(いずれまたデータを掲載致します)

肥満(極度の肥満以外)は動脈硬化と直接の関係はありませんが、高血圧や糖尿病の原因にはなりますから、過食は止めましょう。
(いずれまたデータを掲載致します)

今の動脈硬化にまつわる考え方は、原因・結果が渾然一体になっていて、テレビの健康番組なども、やたらに結果の改善法に力が入れられています。

結果を改善することに主眼を置いてきた現代医学は、原因を追及して原因の治療に当たる姿勢が少ないように感じられます。

例えば・・“喫煙する人は動脈硬化になりやすい”これは正しいのですが、では禁煙するだけで動脈硬化が改善するかは疑問です。タバコの煙はノンカロリー・無脂肪ですから・・・

そこで、
喫煙という結果に至った、その原因を考えてみましょう。

脂っこいものを食べた後やその後のコーヒーを飲みながらの喫煙が美味しかったら・・ついついクセになって中毒になりますね・・
科学的には、脂肪成分がタバコ成分の苦み・辛さをマイルドにすると考えられます。

糖入り缶コーヒーを1日2缶以上飲んでいる人で動脈硬化が非常に進んでいる人がいましたが、タバコと缶コーヒーは相性が非常に良く、喫煙後の口のいがいが感を糖入り缶コーヒーがスッキリさせるらしいのです。

おそらくこのため(私見ですが)に洋風食の脂っこいものを好む人達に愛煙家が非常に多い(参照4)のです。

だとしたら、冠動脈を痙攣させる悪影響はあるとしても、タバコを止めても動脈硬化は改善しないことになります。

まず実行しなければならないのは・・そうです!

医師から動脈硬化を指摘されたら、まず洋風食を和風食に変えることなのです。
禁煙や肥満対策・はその次なのです。減塩(参照5)や運動(参照6)は更にその次でいいのです。

薬で動脈硬化の結果だけを治していただいても、根本的原因が修正されなければ動脈硬化の流れは着実に進んでいるということだけは理解いただきたいと思います。(参照3

肥満を解消、禁煙、運動自慢、塩分制限して健康にいいことをしていると安心されている方・・とにかく・8カ所の血管エコーを一度はお受け下さい。

今までは「肥満は動脈硬化の危険因子」と考えられていますが、明確な根拠はありません。

参考資料:
<産経新聞記事:2006年4月30日>によると
米国ではNHANES(国民健康栄養調査)が長期間(29年間)にわたり実施した調査では、BMIが25〜29の過体重が最も死亡率が低く、最も死亡率が高いのが18.4以下のやせでした。

また、
日本の東京都の老人研が小金井市の住民の体重と健康の関係を調査したところ、むしろ肥満気味の人が長生きで、やせは寿命が短い・・と発表しました。

さらに、
<国立がんセンター 多目的コホート研究の成果:BMI,体重変化と脳卒中発症との関連>の研究によると、
1)男性では、BMIと脳出血、くも膜下出血、脳梗塞共に、発症との関連は認められない。
2)女性では、脳出血と脳梗塞において、BMIが30以上の高度肥満の場合には有意な発症の増加を認めた。
3)観察期間の5年間での体重の変動と脳卒中に関して、男性では何らの関連も認めなかったが、女性では脳出血と脳梗塞例において、10%以上の体重増加来した群が±3%の体重増加群よりも1.49倍リスクが高かった。

結論として、BMIが30以上の極端な肥満女性は脳出血・脳梗塞の危険が高いが、それ以外の場合は、BMIと動脈硬化との明確な関連は見られない。

「脳梗塞・心筋梗塞の完全予防法」目次へ戻る

Dr.真島康雄のバラの診察室

携帯版のご案内

お知らせ

リンクページ