久留米市野中町の肝臓内科・血管内科・消化器内科・乳腺内科です。電話:0942-33-5006
急に目の前に“ギラギラ”“ギザギザした光の輝き”が出現したら、閃輝暗点(せんきあんてん)かもしれません。この症状や発生機序は眼科のホームページなどに詳細に記載されていますので割愛しますが、この症状は脳梗塞や心筋梗塞の予防のチャンスを与えてくれているのかもしれません。
閃輝暗点が動脈硬化によって生じている場会、今までは閃輝暗点の出現を完全に無くすことは不可能なことです。私は学生時代の講義で、閃輝暗点の講義を受けた記憶がありません・・サボっていたのでしょうか?
おそらく、最近の高脂質食によって・・増加している病気・病態なのでしょう
当院では、病歴を詳細に記録していますが、“プラークを見れば済むから・・・”と、この“閃輝暗点”症状を重要視してきませんでした。
でも、最近56才の男性が、“閃輝暗点”を主訴に脳外科を受診したら、脳底動脈狭窄を指摘されたからと・・血管エコーご希望で受診されました(表4 Case39)。
“閃輝暗点”は、最近では非常に重要な臨床上の症状(脳梗塞の前兆である場合がある)かと思われます。
そこで、RAP食(血管エコー実例・研究 29))によるプラーク退縮に伴って、閃輝暗点症状が完全に出現しなくなった1症例を経験しましたので症例提示します。
また、自験例39例における血管プラークの程度(動脈硬化の進行具合)を追加で検討しました。
「今回の症例呈示に関連して、開示すべき「利益相反」関係にある企業はありません」
症例1. 57歳 女性 (表1 Case 10)
<主訴>閃輝暗点・肩こり
<家族歴>母:56才でくも膜下出血、74才 くも膜下出血で他界
<現病歴>2011年1月頃より・・・“閃輝暗点が時々出現”で眼科へ受診。「治療法なし」との説明あり。様子観察になる。この時以降、当院初診時まで同様の症状が継続。
2016年3月 LDL 130 TG 43 HDL 83
2016年7月 当院初診
TC=220 LDL=126 TG=72 HDL=82 Cr=0.71
腹部大動脈IMT=2.13mm(A-max)
右鎖骨下動脈IMT(横断)=1.92mm(S-max)
右鎖骨下動脈IMT(縦断)=1.90mm(図1)
右頸動脈分岐部IMT=1.57mm 左頸動脈分岐部IMT=1.70mm
右総頸動脈IMT=0.52mm 左総頸動脈IMT=1.77mm (図1)
左総頸動脈IMT(縦断)=1.78mm(C-max)
右大腿動脈IMT=0.51mm 左大腿動脈IMT=0.71mm (F-max)
******脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2(0〜4)******
<治療>比較的な高脂血症で、脳梗塞・心筋梗塞リスクレベル=2でありながら、総頸動脈にプラークが1.78mm(縦断)1.77mm(横断)と異常に肥厚していること、便秘傾向であることから、エパデールS(900)2P,2x+ラックビー微粒N,2g,2x―を処方し、RAP食を指導しました。
<結果>
RAP食+EPA900x2P/日+ラックビー微粒N,2g,2xの3年間で
<考察>
<結論>
付録:
参考までに、2011年4月から2019年6月までに経験した、閃輝暗点”出現症例(30才以降に初めて閃輝暗点を経験した症例)39例の8カ所の血管エコー所見を提示します。
<結果>
<まとめ>
“閃輝暗点”を30才以降に自覚したら・・・頸動脈エコーや脳MRAを受けるべきですが・・・
・・頸動脈エコーや脳MRI(MRA)だけで安心してしまうのは問題です。
2019年7月2日 記載
真島消化器クリニック
真島康雄