脳梗塞・心筋梗塞の予防法

元オリンピックの競泳選手でも・運動しても・脳梗塞・心筋梗塞の予防は困難

運動は足腰の健康には有用ですが、動脈硬化の予防には貢献しないことをプラークの厚みで実証しました(前項参照1)。
(注:私が考えている動脈硬化とは動脈の壁が厚くなり、動脈の内腔が狭くなる現象であって、動脈の壁の弾力性や硬さを意味するものではありません)

今回は実際の例を紹介致します。
図は、元オリンピックの競泳選手で、現役を引退しても今日まで運動をかなり続け、特に水泳は週に2回は1000mも泳いでおられます。

なのに、頸動脈分岐部(C-max=2.5)、総頸動脈、右鎖骨下動脈(S-max=3.9)、大動脈(A-max=3.4)にかなりのプラークが堆積しており、脳梗塞・心筋梗塞のリスクレベル= 4(前項参照2)でした。

原因は肉類が好き・アルコールの過剰摂取と思われます。

運動の御陰かHDL=83 とやや高いですが、それでもプラークはたっぷり溜まっています。運動を真面目にしてHDLが高くなったとしても安心してはいけません(前項参照3)。

有酸素運動すれば・・・・とか、動脈硬化予防の理論はたくさんありますが、私の検査法は“今までの食習慣及びその他の収支決算としての全身の動脈の脂汚れ”が見える訳ですから、理論の実証にはこの8カ所の血管エコー法は必要不可欠な検査法なのです。
-----動脈硬化に関する未来の疫学調査のあり方はいずれお話し致します---

この方の高血圧に関しては、
42歳から高血圧になったのは塩分摂取過多ではなく、肉類摂取過多が原因と考えられます(前項参照4)。

高血圧が原因でプラークが溜まったのでは決してありません。42歳の時には既に同年齢の平均以上のプラークが溜まっていたことは明白です。68歳でS-max=3.9mmですから、26年前の42歳の時はS-max=2.3mm 程度であっただろうと推測されます。

S-max=2.3mmは男性の75歳(前項参照5)に相当する血管内腔の“よごれ度”です。
高血圧になったとしても不思議ではありません。

高血圧になったということは、動脈の内側の壁内に劣化した脂肪成分が堆積して内腔が狭くなりだしたことを意味します。

現代医学の発想は、「塩分過多になり高血圧になる」という医化学的発想です。
ですから、今でも「初期の高血圧の食事指導はまず減塩」ですが・・・

私の未来塾の発想は、「血管の内腔が狭くなり高血圧になる」という物理学的発想です。

ですから、「初期の高血圧の食事指導はまず減糖・減肉・減脂です、そして減塩」
これこそが血管の内壁を薄くして内腔を広げる根本的な高血圧の食事指導と思うのですが・・

このような発想は今までの医学を学んできたものには全く考えも付かない発想だと思います。私もそうでしたが、血管プラークの変化と食習慣の変化を正確に観察し続けてはじめて事実が見えてきました。
(注:バラの完全無農薬栽培に欠かせない“虫対策法の開発”の際に養われた観察眼が非常に役に立ったと思っています。今日の私はバラの御陰なのです)

---塩分などの食品と動脈硬化に関してはいずれまたお話しすることにします---

 

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